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階段から転げ落ちていないのに、入れ替わる的な性格って、そりゃぁ転校生だぜ
観た方がいいかどうかでいえば、観た方がいいです。
面白いかどうかでいえば、まぁまぁ面白いです。
好きか嫌いかでいえば、嫌いです。
甘いか苦いかでいえば、クソ苦いです。
百戦錬磨の戦場カメラマン・リーと駆け出しヒヨコのジェシー。
視点は三人称で誰の主観も存在しない。
ジャーナリストでありリーの師匠であるサミーが戦場で死ぬ。
ここからリーとジェシーのキャラクターが変化していくというもの。
もうね、尾身としのりと小林聡美で、大林信彦監督の「転校生」レベルで性格が入れ替わっている。
※転校生は正確には「性格」が入れ替わるではなくて「心」が入れ替わるでもなくて、「身体」が入れ替わる話だ。心が固定化された状態で、身体が心の外側に入り込むってことだ。僕は身体が固定化されていて、魂みたいに心が飛び出て入れ替わると認識していた。↓あらすじに「身体」が入れ替わると書かれている。
映画としての面白さが一周しきってしまって、映画のタイトルとメインキャストの建付けがいまいちしっくりこない。
・兵士の視点とか(政府軍または西部勢力)、・大統領かどこかの市民
なんでもいいけど、どっちかの側から観ると感情移入もわかりやすさも
あるのだけど。
ジャーナリストをW主役にしているものだから、基本的に中立的。
途中、兵士が誰と戦っているのかわからなくなっているあたり、
撃たれるから撃つというリアリティがそこにあった。
いずれにしても、感情移入ができないままジェシーが覚醒していくという
なんとも当てつけのような終わり方で、映画的にはこのジャーナリスト視点は落ち着くんだと思うけど。
なんだか、映画通が映画を楽しむため(これくらいの角度じゃないと
アメリカ内戦の映画ってツマンナイヨネ)みたいなのが透けてるんだよな。
つまりそれなりの正義の御旗みたいなものがお互いに(政府軍・西部勢力)
描かれてないものだから、こいつら何のために戦っているのか?
と白けてしまうのだ。
そもそも戦争なんてのは、「俺、なんのために戦ってたっけ?」となるんだろうけどそれが狙いなら、ジェシーがあそこまでのめり込んでいく姿が狂気だった。
戦争ってくだらない、って伝えるための写真ではなかったからだ。という私見とともに。いい映画だったけど、ずっと気持ちが入らなかったよ。
戦争が愚かと言う話よりも、ヒヨコが変貌するほぼホラ―だった傑作「シビルウォー」ぜひご覧ください!