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【エッセイ】ポイントゲットをなぜか断る五分前の自分に理由を聞く

レジで「●●カードや××アプリはございませんか?」と聞かれることが多くなってきた。レジの人も面倒だろうなぁと思う。このやり取りを延々としなけりゃならんと思うと。

レジ袋と違って、ポイント関連は「持っている・持っていない」の意思表示に正解はない。レジ袋は、エコバッグを持ってないのに「いりません!」なんてエコ活動しちゃうと、ありとあらゆるポケットに買った品物を突っ込んだり、両手いっぱいの花束みたいにぎゅっと品物を抱えて、家までかえらなきゃならん。

その点、ポイントは●●カードや××アプリを持っていても
「持っていません」と言えば、それで終わりだ。自分が少し損をする程度だ。たいてい1%もポイントバックされりゃぁいいところで、10,000円払って、100ポイント(円)が戻ってくるってんだから、損ちゃ損だけど、もらい損ねたからといって地団駄踏んで悔しがるほどでもない。

僕は楽天のアプリを持っている。関西では知名度のあるホームセンター「コーナン」で日用品を買っている。(もう全国区?)レジのたびに楽天アプリを持っているかを聞かれる。いつもは、レジの順番ひとつ前ぐらいでスマホを顔認証起動し、アプリをタップして読み取りバーコードを表示させる。

食い気味に、アプリの有無を聞かれる前に、無言でレジに楽天アプリのバーコードを突き出している。レジの人からしたら、無礼なヤツだ!なんて思われるかもだが、僕としてはいちいちアプリの有無を聞いてもらうのは悪いと思って、先んじてアプリを出しているのだ。

たまに自分にバグが起こる。今回のタイトルのようなことだ。僕は多肉植物が好きで、植え替えを適宜行っておる。ちょうどいい量の土があり、200円ほどだった。いつもたんまりの土に困っていたので、300g程度の量の土はうれしい。喜び勇んで店の外にある園芸レジに向かうも、土の入ったビニールを引っかけて破いてしまった。レジではお姉さんにテープ止めしてもらって、無事購入と相成った。

だがね、バーコードがめくれ落ちてしまっていたのだよ。この迷惑モノの僕!「これはぁ?バーコード落ちてますね。どこに陳列されていました?」と元気よく聞かれる。
「あっちの角の、砂利が売っている手前の」
要領を得ない答えの僕を察して
「ハイ!わかりました、ダッシュで行ってきますのでお待ちください」
と。あぁ、後ろに人が並び始めている。プレッシャーが厳しい。

なかなか戻らないお姉さん。実際には3分程度だったと思うが、体感では10分はあった。後ろに並んでいる客は3人に増えている。自然増殖か!くぅ。朝の園芸コーナーのレジが大賑わいだ。

レジ応援!!!

心の中で、アナウンスを流す。届け、レジ応援の声!

届いた、ベテラン到着。もう一つのレジに待っているお客を誘導し、てきぱきとお客さんをさばく。僕の後ろには誰もいない。良かった。レジさばきが落ち着いたころに、お姉さんが帰ってきたのだ。

ハァハァと息を切らすお姉さん。バーコード転記してきました。と。嫌な予感がする。写真撮ってくるとかの方が良くない?

手打ちバーコード。小さなレジモニターに品名と価格が表示される。
知らん、その花は知らん。その価格も知らん。2,980円もしてる。

「あの、写真を撮った方が」と助言し(僕が悪いんだけど)、レジを締め
一緒に陳列スペースに行き、写真を撮ってもらい、JANコードを控えてもらい、レジに手打ちしてもらった。

ハァハァハァ。

二人とも。

「198円に消費税で、217円です」

そこで、出たあの一言!

「楽天のアプリはお持ちですか?」
持ってる、持ってるよ。めっちゃいつも使ってるし。217円で1%ポイントだったら2円ぐらいか。うん、あるけど、なんかなんか


スマホ顔認証して、アプリ起動して、バーコードみせるの
めんどくさい!!!!

こんなに時間と手間をとらせてしまっているのに
申し訳ない!!!!!

え?お前、ポイント欲しいの?欲しがるねぇ?って思われるんじゃないか?どんだけ欲しいねん、お前のポイ活は、ある意味ポイ負や!

ぐらいの想いが駆け巡る。

で、出てくる返事は当然のことながら
「あ、持ってません」

レジを済ませて、てくてくと歩いて帰り道、家路を急ぐ。

持ってるんやけどなぁ、持ってへんって言ったなぁ。持ってるけど、なんかあの段階じゃぁ浅ましさが出るというかなぁ。なんだかなぁ。

「何で持ってるって言わんかった?五分前の僕よ」
「いやいやいや!結論出てるやん。あ・さ・ま・し・さ!浅ましさ」
「浅ましくもあるが、ポイント捨てることもなかろうよ、五分前よ」
「セイセイセイ!あの状況で、アプリ起動できるの強靭すぎるやろ」
「どこがよ、五分前よ」
「ほな、戻って、レシート見せてポイント活動してきなよ」
「そ、それはなぁ、もうここまで歩いてきてるからええやろ、五分前」
「そういうところがアカンで。決めたことグジグジ言うのはな」

心の中で対話しているときの自分のはきっと怖いと思う

ということで、家に帰りつくと、一目散にサボテンを植え替えをしたのであった。忘れたくて、noteに書くことにしたのだ。思い出したけどね。



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