平日篠栗第二弾は滝行!
平日篠栗泊第二弾…
サラリーマンの平日に自由を!
平日遊び人フジモトです(^^)/
また篠栗に。
今回のメインディッシュは滝行!
もともと、篠栗四国八十八ヶ所霊場のお寺では、滝行ができるのは知ってました。
でも、お寺に滝行申し込むのって、ちょっと敷居が高いじゃないですか。
ところがなんと、篠栗町観光協会が、お寺体験プログラムを発動!おー、待ってました、こういうの(^^)
で、早速、篠栗町の溝口さんに相談。平日の早朝にしたいというワガママなお願いにも関わらず、快くコーディネイトいただき、三角寺さんに宿泊して、朝一番に滝行ができることになりました。
今回も、平日に、普通の仕事の合間に2時間だけ休んで、遊び倒そうという計画。いや、今回は遊びでなく修行か…(^_^;)
10月6日、16時半まで仕事して、2時間休。博多駅17:08発、筑前山手駅17:34着。
筑前山手駅を降りると、まず11番山手薬師堂へ。筑前山手駅スタート&ゴールにすることが多いので、必然的によくお参りすることに。小さなお堂だけど何度も来ているとどんどん親しみが湧いてきます。
三角寺さんへの最短ルートは帰りに使うことにして、67番さんから山王方面へ。時間があまりないので、山王寺さんはパス。73番、23番、41番さんへと、順繰りに。
38番丸尾観音堂の道をはさんで横に、素敵な滝があります。龍神の滝。いつもどおりここで水を補給。龍神様、ありがとうございます。
少し登って切幡寺の奥の8番札所金剛の滝へ。この滝も美しい。
篠栗の若杉山麓は、本当に水が豊かです。そんなに高い山ではないのに、谷ごとに、滔々と落ちる滝が次々現れます。いのちを支える水が、毎日毎日、毎時間毎時間、毎秒毎秒、途絶えることなくじゃばじゃばじゃばと流れ落ちる。これが、仏教が伝来するずっと前からの、最初の祈りの場所だったのではないかなあ。
日が落ちていく中を登って64番荒田阿弥陀堂、29番荒田観音堂。そしてすっかり暗くなった森のへんろ道を63番天狗岩吉祥寺へ。ここはお寺というよりお堂なのだろうけど、とても美しい毘沙門天さんがおられます。きりり、と、涼やかに。いつも四王寺山の毘沙門堂に通ってるので贔屓目かもしれませんが、四天王の一人、北方を守る毘沙門天からは、仏の守護としての格別な力を感じます。ほかにも、天狗や役行者が祀られています。森の中の佇まいも相まって、山の力をすごく感じる場所です。パワースポットなんて安直な言葉は使いたくないけど、ずっといたくなります。
さ、そろそろ、急いで。ひときわ大きな83番千手院さんに寄って、65番三角寺さんの宿坊へ。お風呂にゆっくり浸かって、野菜を大切にした素朴で最高に美味しいご飯をいただいて、おやすみなさい。
朝、3時半起床。
ここに泊まるなら若杉奥の院に行かないわけにはいかないでしょう!!篠栗四国八十八ヶ所霊場としては、番外ということになってますけど、山の力から発した篠栗の祈りの中心はここだ!と思います。
ということで、3:45出発で滝行の前にひとっ走り。昨日来た道を、天狗岩の毘沙門天さんにご挨拶して、荒田へ。そしてそこから、森林セラピーロードを若杉山へ。
この道のハイライトは、なんといっても仏岩でしょう。大きく長く伸びる岩の上に下に、祈りの場。横を歩くだけで、一歩一歩が祈りの巡礼になっている気がします。
真っ暗な中、ヘッドランプの丸の中を見つめて一歩一歩踏みしめて。やがて山頂一帯の玄関口。車道の分岐では、お大師さんが迎えてくれます。
今日は山頂へは行かず、太祖宮からはさみ岩、そして奥の院へ。
異形の杉と岩の殿堂。奥の院はどんな時間でも、お大師さんが静かに端座しておられます。永い大地の力と長い植物の命、短い人の命と永遠の祈りが渾然一体と曼荼羅となっています。
それを、全く、独り占めの、時間。
あたりまえの場所があたりまえでなくなる時間を堪能して、さあ、滝行へ向かおう!
三角寺まで駆け下りて、さていよいよ滝行です。
滝衣に着替えて、本堂へ。
ここからはご住職がお導きくださいます。
まずはご本尊の十一面観音さまに、滝行の前のお祈り。般若心経だけは声を合わせます。お堂に二人の声が響いて、ココロが落ち着いていき、ただ音を出し音を聞く棒になって…
最後に分厚い般若経で身を叩いていただき、さて、滝へ。
三角寺の滝は清浄願之滝といいます。そんなに大きな滝ではありません。他のお寺のように、水を導いて下に入りやすくしてあるわけでもありません。岩から、岩に沿って、静かに落ちている美しい滝です。
ご住職がまず先に滝の下に入り、さていよいよ、私の番です。冷たい流れの中をよたよたと進みます。冷たい。結構ゴツゴツしてあるきにくい。なんとか滝の前にたどり着いて、合わせた手に独鈷をはさみ、滝に背中を近づけます…。
わーー!!つつつ冷たい!!
背中に冷たい水が当たり、頭には飛沫くらいしかあたってないのに、この冷たさはなんでしょう。どんどんどんどん冷たく冷たくなっていきます。
摩訶般若波羅蜜多…
大声で般若心経を唱えるんですが、歯の根が合わず、
わははんひゃはらひった…
みたいになって、ちゃんと言えません。背中からどんどん冷えてくる。もう夢中で何かを叫んでいる感じになってきました。
このまま冷えていったら死ぬんだ。
そういう実感がどんどん背中から染み込んできます。
横でご住職が大きくお経を唱え……終了。
この間、たった5分くらいか?
ガタガタ震えながらご挨拶してシャワーに。熱いシャワーから出られません…
滝行って、もっと長い時間滝に打たれているものかと。いや、ちゃんと鍛えた人はもっと長く入ってるのかな?冬でもできるかな?そもそも軟弱なジブンには修行とか無理!
修行っぽいことを言って喜んでるジブンを全否定しつつも、先が長くて出口が見えないからこそ修行なのかもと思ったり。
ずいぶん長いことたって、やっと思考が普通になって、それからまた長いこと温まるまでそのままで。ふー。ありがとうございました。生き返った。死んで生まれた。生まれ直した。
あとはご飯を食べて、お礼を言って三角寺を出ます。ほんとにここのご飯は美味しかった。
さあ、もうここからは出勤スタイルなので走りません。てくてく、ノンビリ歩きます。滝行で生まれ変わった感覚で、しばらく舗装道を下り、42番仏木寺。入り口に押し車が置いてあって、お堂では寄りかかるようにご本尊に語りかけているおばあさん。一心に話しかけている後ろ姿は美しかった…
24番中ノ河内虚空蔵堂までは舗装道を避けてトレイルを。そして舗装道に戻って14番ニノ滝寺。
ニノ滝寺も滝が美しいお寺です。滝行もできるようです。大きな本堂も大師堂もあります。
篠栗の道は、滝と岩と森と畑が混在し、素敵な細いトレイルと舗装道が混在し、山と街が混在し、大きなお寺と小さな祠が混在している。その風景の多様性、祈りのカタチの多様性が、雑多で多様な世界を表す曼荼羅の中を歩くような経験を与えてくれるのだと思います。そしてそこに力を与えているのが、毎日たくさんの人が祈る、その祈りの力なのではないかな。
48番、20番、52番とまわって、最後は昨日スタートした11番山手薬師堂に。2日間の旅と滝行の報告と、お礼。静かな佇まいのお堂で、最後の旅のひととき。あー、ずっとこうしていたいけどなあ…
仕方ない、時間です。筑前山手駅から、8:50発のJRと地下鉄で出勤します。だんだん日常に向けて風景が変わっていく…そして、雑踏をくぐりぬけて、いつもと同じ日常の中へ。
でもぼくは昨日のぼくでありません。人は、何度でも生まれ直せる。毎日が変わらなくても、自分が変われば毎日は変わる。さあ今日も、いつもと同じ、でも新しい日常がはじまります。
みなさんも、いかがですか?
篠栗で、生まれ直そう!