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長野駅でSuicaが使えるようになるので解説します

2025年3月15日(土)の始発から、JR東日本内での交通系ICカード(Suica)の利用可能エリアが拡大され、ついに長野駅でもSuicaが利用可能となります

>2025 年3月15日(土)長野県のSuica利用がますます便利になります(PDF)

これまで数えきれないほど長野駅はSuica使えないSuica使えないSuica使えないSuica使えないと散々言われてきたなかでようやくSuicaが使えるとあり、もう長野市民からするとさぞかしお祭り騒ぎ状態なのでしょう。
しかし、Suicaが使えるようになる一方でサービスが終了するものや、事実上の値上げとなるものもあり、これは一度整理しておいたほうがよいと思ったのでまとめてみました。


順番に解説していきましょう。

①始まるもの

・長野駅を含めたSuica利用エリアの拡大

2025年3月15日以降、長野駅以外にSuicaが使えるようになる駅は以下のとおりとなります。

自動改札機以外のところは簡易Suica改札機が導入されます。

またこれにより、篠ノ井線のワンマン列車でもすべてのドアが開くようになります
篠ノ井線では一部の列車にてワンマン列車を実施しています。しかし、無人駅での乗り降りの際は乗車時に整理券を発券するドアから乗車し、降りるときは運転席横の精算機できっぷやお金を払って降車しないといけないわけですが、それがSuicaの導入によって省略され、どのドアからでも乗り降りできるようになるわけですから便利になります。

「ワ」とついているものがワンマン運転列車

また大糸線でもすでに導入されている松本駅から、穂高駅までの区間でSuicaが使えるようになります。それ以北の有明から信濃大町、白馬、南小谷はまだ使えるようになっていないのが気を付けたいところですね。

・チケットレス特急券

これに合わせ、すでに特急「あずさ」でも導入しているチケットレス特急券が、特急「しなの」(塩尻~長野間)や臨時特急「信州」にも導入されるようになります。

これによって特急「しなの」(塩尻~長野間)と臨時特急「信州」(全席指定席)の普通車指定席がチケットレスにて乗車できます。
※普通車自由席とグリーン車を除く
JR東日本のえきねっとで乗車する列車の指定席を事前に購入してしまえば、駅で指定席特急券を発券しなくても特急列車に乗車できるのです。
さらに、Suicaと併用することで乗車券をSuicaとして、特急券をチケットレス特急券にすればみどりの窓口や指定席券売機に並ぶことなく、そのまま特急列車に乗ることができるようになるので便利になります。

また、チケットレス特急券導入に伴い、在来線チケットレス特急券(トク割)も導入されます。

これだけ見るとちょっとわかりにくい部分もあるのでまとめたいと思います。

まず、割引は3種類記載されていますが、実際は2種類です。
50%割引は2025年3月15日(土)から2025年6月30日(月)までの期間限定キャンペーンとなるため、その後となる2025年7月1日(火)から2026年3月31日(火)までは40%割引となり、15%割引は2025年3月15日(土)から2026年3月31日(火)まで通年あるものになります。
そしてどちらも列車・座席・区間指定商品のため、割引率の高い方が売り切れている可能性もありますので注意したいところです。
さらにグリーン車と普通車自由席は対象外となるため、それぞれの料金と比較した早見表を作成してみました。

こうしてみると当然自由席特急券のほうが安いのですが、特急「しなの」の自由席は6両(8・10両)のうち2両だけですので、混雑時も踏まえたら指定席のほうが両数が多い分、確実に着席できるのかなと思います。
先にも書いた通り40%(50%)割引は列車・座席・区間指定商品ですので、割引が設定されない区間もありそうです。そこをまず確認してからでも遅くはないのかもしれませんね。
なお、松本~塩尻間の特急料金は「あずさ」と「しなの」で異なります
せっかくですのでこちらもまとめてみました。

これは作っていて思ったのですが、「あずさ」と「しなの」で特急料金が異なるうえになかなか複雑なんですよね。
本来ならばJR東日本とJR東海の特急料金は同じだったのですが、JR東日本が「あずさ」の特急料金体系を変更し、「しなの」はJR東海の特急料金を継続、そして「あずさ」でチケットレス割引が導入され、さらに今回「しなの」でもチケットレス割引が導入されるとなるとこのような料金設定になってしまうのです。
さらにいえば「あずさ」は通年通常期なのですが、「しなの」は通常期、繁忙期、最繁忙期、閑散期によって指定席料金が異なるうえ、「しなの」に関しては塩尻~長野のJR東日本管内でもJR東海のカレンダーで期間が決まるので、一般の方にはまったくわからないような設定になっているんですね。
まあそもそも松本~塩尻間のみを特急列車で移動する方がそんなにいるとは思えませんが

そして、在来線チケットレス特急券が導入される代わりに篠ノ井線特急料金回数券が廃止となります。

②終わるもの

・篠ノ井線特急料金回数券

一見、利用期間:2025年3月14日(金)までと書いてありますが、発売期間が2025年2月15日(土)までですので、2月16日(日)から3月14日(金)まではこの期間内で使用する在来線チケットレス特急券や篠ノ井線特急料金回数券を買うことができない、割引のない1か月間が存在するので注意が必要です。
まあ普通に買えば良いだけの話なんですけどね。
とはいえ、篠ノ井線特急料金回数券が有効期間1か月、4枚つづりで2,880円、1枚あたり720円ですからある意味値上げともいえるかと思います。

篠ノ井線特急料金回数券廃止を前に最後の思い出として使用してきました。

併用可能でした

この篠ノ井線特急料金回数券って、知る人ぞ知る特急「しなの」の普通車指定席の空席があれば指定席に座れるという公式の裏ワザがあったんですよね。なので廃止後はそれも使えなくなるということでちょっと残念でもあります。

>篠ノ井線特急料金回数券

③変わるもの

・長野駅の改札

今回、Suicaが導入される駅で自動改札機が導入されているのは篠ノ井駅と長野駅の2駅だけですので、長野駅の改札を見に行ってきました。

もうすでにSuica対応の仕様になっていました。
いやあ今からもうテンション上がってきますね!!

もちろんですがミドリ口の改札も新しくなっていました。

これが2025年3月15日(土)の始発からSuicaが使えるようになるので、いまからSuicaを使えるようどこかで練習しておいたほうが良いかもしれませんね。
ちなみに長野駅の始発は5:10発の飯山線・越後川口行なのですが、Suicaが使えるようになるのに始発はSuicaが使えない路線となりますのでお気をつけいただきたいと思います。

・東京近郊区間の拡大

長野駅でSuicaが使えるのと同時に、大都市近郊区間(東京近郊区間)が拡大されます。

一般の方からすると東京近郊区間って何?とか、それに入って何か変わるの?と思われる方がほとんどかと思います。
実はこの近郊区間に入ることによって、ひとつは乗車経路に関係なく最短距離のキロ数の運賃で移動できることと、もうひとつは1枚のきっぷで途中下車ができないといったところでしょうか。
途中下車のルールを説明しても長くなりそうですしそもそもあまりわからない方のほうが多いと思いますので割愛しますが、まあ、松本の人からしたら「北松本から(まで)の101キロ以上の乗車券を買えば途中下車ができたのにもうできなくなる」というところと、長野から以北はしなの鉄道になってしまうため、「長野周辺を起点(終点)とした途中下車できるきっぷの発行ができない」といったところでしょうか。

・しなの鉄道もSuica導入へ検討

篠ノ井駅から長野駅でのSuica導入に合わせて、乗り入れを行っているしなの鉄道においてもSuicaの導入が検討されているようです。

ただ、まだ具体的な導入日は決まっていないため、しなの鉄道へ乗るのに使えるだろうという思い込みでうっかりSuicaで入場してしまうとかありそうですので、周知は必要ですね。

最後に信州往復きっぷは今後も残るのですが、もしかしたらSuicaの導入によりモバイルSuica限定のオトクなきっぷに変わるような気もしています。それに特急に乗ってもらいたいがゆえに値上げせず残しているという側面もあるのかもしれませんね。

1993年の発売から名称も変わり
32年で100円しか値上げされていない
貴重なきっぷなのです

以上、長野駅でSuicaが使えるようになるので解説しますでした。

終わりに

今回、年末のさなか長野駅へ見に行ったときに思ったのが外国人観光客の多さでした。しかし、その方々の目的地のほとんどが志賀高原、スノーモンキーや特に白馬方面がすごい人であふれていました。
それに、長野から白馬を結ぶアルピコ交通のバスが3,500円に値上げとなったんですね。

実際にバス乗り場を見に行ったところ、アルピコ交通では6名体制で外国人の乗客の対応をしたり、手早くバスに荷物を載せたりという対応に当たっておりました。
ただ単にインバウンドだから値上げしたのではなく、人員を割くために値上げしたのかなという印象を受けました。

冬ダイヤで全席指定と全席自由に分かれている
なかなかの運賃設定
クレカのタッチ決済使えるのはGOOD

世界のキャッシュレスはクレジットカードのタッチ決済が主流になっているようです。SuicaやPayPayは日本だけのものです。

指定と自由で列が分かれている

こちらへのバス乗り場は長野駅の東口で新幹線口寄りにあるんですが、商業施設はどちらかというと善光寺口である西口に集中しているんですよね。
つまり、長野駅がただの通過駅になっているなという印象を受けました。
2015年に北陸新幹線が当時金沢まで延伸となった際に、長野が終着駅から途中駅になってしまうから長野へもっと寄ってもらうようにしようということで現在の駅舎や駅ビルに改修したはずです。

ところが今度は一転、インバウンドでスノーモンキーや白馬の人気が高騰し、バス乗り場がある東口にも人が集中してしまっているのです。しかも、新幹線口と東口バス乗り場のあいだにあるのはコインロッカーとNEW DAYSだけ。動線上に商機が少なく、なんとも皮肉なものです。

白馬の人気は県内にいても気づかないほど高騰していて、北海道のニセコと同じくらいの状況になっているとのこと。

白馬の人気もさることながら、「円安」の影響も大きいように思います。
どんどん外国人を受け入れてお金落としてもらえと言っている一方で、長野県は全国一ガソリン代の平均値が高く、県民はそれを払うことができないのに車に乗りまわして貧しくなってるのですからなんとも滑稽なものだと思わされます。

外国人観光客も来ていただいてありがたいのですが、それに買い負けない国になっていかないと円安はさらに加速するでしょうし、もしくは円高に転換するのはなかなか難しいのではないかと考えており、ならばもう国とか他人に頼る前にまずは自分自身が何とかしないといけないよねと言って、自ら学んだり行動していくしかないように思います。
豊かな人はより豊かに、貧しい人はより貧しくなっていく時代に突入したように思いました。

これで470円
これで400円

長野駅構内の駅そばが安すぎ問題。
ちゃんと利益上げてほしいものです。


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