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アラサー女子、マッターホルンを目指す③

あーこんなに長い文章になるなんて

いざマッターホルンへ

グリンデルワルドには2泊3日しました。
と言っても一日フルで活動できたのは真ん中の1日で前後はほぼ移動日。
3日目は朝散歩して次の街、『ツェルマット』へ移動。

ツェルマットはスイスの中でも最も有名な山である『マッターホルン』への玄関口となっている。
またもや約4時間となる電車の旅。
とにかくこの度、ありとあらゆる乗り物に乗った。実は途中バスにも乗ってるし乗り継ぎも結構あるんです。慣れないドイツ語表記と途中聞こえてくる英語を聞き逃すまい、とアナウンスに耳を傾けて旅をしていた。

何がともあれツェルマットへ。私がみんながそろそろ日本の味を求めているのではないか?と思い、電車内で日本から持ってきていた『芋けんぴ食べる?』と提案するも二人に断られた。
実はこの日は特別だったのだ。スイスに到着してまともに外食をしていなかった私たちがついにチーズフォンデュを目掛けてレストランに行くのだ!!二人はそれを踏まえて芋けんぴを断ったのだ。でも私は小腹が空いていたし長い電車の旅で口寂しくなっており、我慢できず『3本だけ』と決めて封を切った。実際には半分以上食べたと思う。

そしてツェルマット到着。うーん。なんだか雲行き怪しい。そこから既に見えているはずのマッターホルンは完全に雲の中。うーん。大丈夫なのか?

とりあえずホテルにチェックインし街へ探索に。
時間的に余裕があったのでトレッキングすることもできたが天気の怪しさと前日の疲れを考慮して、今のうちに必要なお土産を買うことにした。普段旅行へ行ってもほとんどもお土産は買わないのだが、GWに有給をくっつけてスイスまでやってきたので、職場や私の仕事をフォローしてくれている人には個別に、、とか色々考えたらお土産を買うことにした。
ツェルマットは上高地と軽井沢を混ぜた感じと言われているので、お土産屋さんには困らず、賑わう街をぶらぶらするだけでも楽しかった。
ただ、グリンデルワルドに比べてオフシーズン感が強く閉まっているお店やホテルが目立った。それでも十分なくらいには空いていた。

そして夕方になりついに夕食時!
ついにチーズフォンデュ!本場のそれはかなり白ワインの風味が強くお酒の弱い私は酔いそうになった。
でも熱がしっかり加わるとアルコールが飛び始めかなり美味しくいただいた。
スイスに来る前、スイスに行ったことがある人が『パスタ一皿5000円した』と言っており、かなりビビったのだが、私たちはメイン2品、サラダ、飲み物をつけても日本円で一人5500円だったので、ほっとしたのが正直なところ。
良心的なレストランに出会えてよかった。接客もお店の雰囲気も味も大満足であった。

(正真正銘)ついにマッターホルンをみる

ここまで長くなったが、ツェルマット2日目、この日ついに見た。マッターホルン。
ツェルマット2日目にしてついに行動に出た。
この日は朝からゴルナーグラード展望台に向けて登山鉄道に乗った。
この時点ではまだマッターホルンは雲の中。
観光雑誌には「街からは見えなくても、標高が上がって雲の上に行けたら見える場合があるので諦めず展望台まで行ってみよう」と書かれていたのでその言葉だけを心の支えに鉄道に乗った。

そして鉄道がぐんぐんと標高をあげ、3分の2程度登ったところで、ついに見れたのだ。本当に感動の瞬間であった。
運が悪いと1週間来ていて一度も見れないこともあると聞いていた。私たちはツェルマットも2泊3日だったので、この日に賭けていたのだ。

そして鉄道は終点駅に。
『あれ。また曇ってる』
はい。せっかく着いたのに。
目の前に広がっているはずのものが見えないんです。
でも雲が流れているので全然諦めていません。
私たちがカフェテラスでコーヒーを飲んでいると一人の友人が
『待って。何も言わずちょっと来て』
その言葉の意味を察し、ニヤニヤが止まらない。
外へ続く階段を子供のように駆け降り『まじ?まじ?まじ?』と連呼。
周りの目を気にすることなく、年甲斐もなくはしゃいでいたと思う。
そして扉を出た先にあるのは、、、、
念願叶ってのマッターホルンが目の前に。
本当に山見て泣くなんて信じられないが、涙が出た。
このまま見れずに日本に帰ることになるのではないかと、どこかで感じていたのだと思う。
私たちはツイていた。
何をするでもなく私たちはその場で2時間くらい過ごし、思う存分写真も撮ってきた。
写真を見返すと綺麗すぎて合成みたいだった。

美しすぎるほどの景色に別れを告げたのは、また雲が厚くなってきたからだ。
なんとも贅沢な時間を過ごした。
そこに山があるだけで歩かずとも、語らずとも、いくらでも時間が潰せると思っていたが、やはり自然相手、天気には敵わず退散。

下山後、一度荷物を整理しにホテルへ。
道中ではその日もう一個トレッキンゴースへ出かけようという話になっていたが、あまりにも完璧すぎるマッターホルンを見てしまった満足感と連日の疲れなのか一度荷物を置いたら最後。そこから謎のまったりタイム開始。
もう旅の終わりが見え始め、翌日のチェックアウトに向けて荷物のパッキングを始めたらもう日暮れ。
夕焼けが綺麗そうだったのでホテルのルーフトップに上がりゆっくりすることに。
すると、なんと目の前にはさっき見たはずのマッターホルンが再度お目見え。
夕方の涼しい風の中、少し遠くに見えるが圧倒的な存在感のマッターホルン。
ジーンと来るようなシチュエーション。
『今回一緒に来てくれてありがとうね』
なんて言葉が素直に出て気づいたら友人たちに感謝を伝えていた。
ここまで書いて行動して信じてもらえないかもしれないが
実は小心者で天邪鬼な性格の私。職場での私はいつも何かに怯え、発言には細心の注意を払い、だからと言って人とは群れることの出来ない捻くれた自分。
でも雄大な自然は人を素直にさせるのだ。

それでも日本に帰ってきた今でも思うことは一緒だ。
一緒に行ってくれた友人には素直に一緒に行ってくれて、一緒に感動してくれてありがとう。と思っている。

なんとか感動的な締めに近づいていると見せかけ、、、
翌朝、更なる感動が待っていた。

翌日は最終日だし例の如く移動日だし、天気が悪くてもいいか〜と思っていた。
それに実際に天気予報でも一日曇り予報。

そして最終日の朝。
カーテンを少し開けて天気を確認すると、やっぱり曇っている。
曇りだと目覚め悪く頭もどこか重たい気がして、目もうまく開けられない。
『あー曇りだね。でもここまで天気良かったし持った方だよね』
なんて会話もしていた。
一人がトイレに行き別方角の窓から空を見たようだ。
すると突然声色を変えた叫び声が聞こえた。
『二人とも、今から外に出るから着替えて!』
そう言っているのだ。

私たち2人は一気にその言葉の意味を察し
人生最速で着替えを済ませた。
ジャニーズの早着替えも超えるくらいのスピードで。

そしていつかのようにホテルの階段を駆け下り扉の外を出た。
そこからはまだヤツの姿は見えない。
時間帯と空の色的にはまだ朝日が昇り始めているくらいだろう。

そこからヤツが見える場所へ猛ダッシュ。朝寝起きにあんなに走ったことは人生でも経験がなかった。
でも直感で時間との勝負だと感じたのだ。
そしてビュースポットに着いた時。
目の前には雲一つかかっていないマッターホルンが。
なんと少しづつ朝日が当たり色づき始めている。
俗に言うモルゲンロートだ。
それは気象条件が揃わないと見れないはずだった。
なんと旅の最後の最後にそんな姿まで見せてくれるなんて。
楽しませてくれるぜマッターホルン。

マッターホルンの頂上から裾にかけてゆっくり、じっくりオレンジに染まり始めるマッターホルンはなんとも神秘的だった。
山に対して神や信仰を感じるなんて、なんとも日本人的な感覚なのだが
それでも神秘的で美しかったのだ。
見れて良かった。期待していなかっただけに感動をより大きく感じた。

もはや何に対してなのかわからないが『ありがとう』と感じた。

これにてスイスの旅、終了。
このあとはホテルを後にし、首都ベルンへ移動。久々の経済を感じる街へ。
約2時間弱の街歩きを楽しんで(噴水や時計台、アインシュタインの家を見た)
ドイツ、フランクフルトへ。そこからまたシンガポールを経由して日本へ。

あとがき

正直全然書き足りない。いい足りない。だいぶ省略してしまった。
でも自分で振り返るためにもこうして書き残す、振り返る作業ができて良かった。

一緒にスイスに行った友人だが一人は旦那と子供がいるのだがこの旅に参加してくれた。しかも二つ返事で。男だから、女だから、母親だから、とかそういう肩書だけでなく個人としてのやりたいことを尊重してくれる家族の関係って素敵だ。そしてもう一人の友人はドイツのフランクフルトで別れを告げ、その足でスペインに渡った。すげー行動力。
あまり女3人旅って経験がなかったのだが、こんなに仲良くスムーズに仲間割れせず行くのかな?笑
感覚としては女友達というよりは、旅好き3人が同じ目的の為に集まったって感じたっだのかな?それがこの旅をうまく運んでくれたのかもしれない。いづれにせよ、2人には感謝の気持ちでいっぱいだ。
それにしても時間が足りなかった。もっとやりたいことはあった。
こんだけ感動しておいて欲深いのかな?なんて思うが。
そういえばドイツで税関を通る時、『何泊滞在するの?』と聞かれ『5泊』と答えたところ大変驚いていた。そうだよな、欧州の人は夏休みが1ヶ月近くあったりして、ホリデーといばもっとゆっくりするんだろうし、わざわざ何十時間も飛行機に乗ってきてたったの5泊なんて弾丸も弾丸に感じるんだろうな。
いいな〜。できることなら私だって、、、。

そして最後に小さな。本当に小さな声で言いたいことがある。
5月のスイスはベストシーズンだ。
絶対に色んな人に知られたくない(笑)
旅行雑誌やネットの情報ではこぞってオフシーズンだと言っている。
実際に夏に比べてトレッキングコースが限られていたり、ホテルが閉まっている様子も見た。
でも、だからこそ、人が集まりすぎず、寒すぎず、暑すぎず、電車も予約もせず席に座れるし、乗り物も空いている。そして雪景色も見れるし春らしい生命の息吹を花や植物からも感じられるし、いいとこどりの季節だった。
私はベストシーズンと言われている夏を知らないから偏った意見になるのかもしれないが、私はオススメと言いたい。
ネットの情報は鵜呑みにするな。自分の目で見て、肌で感じた事が自分の正解になるんだなと感じた。なんだか人生の教訓のようになってしまった。

こんなことを言って夏に行ったら行ったで『やっぱ夏最高じゃん』とか言ってるのかな。それも自分の目で見て肌で感じて結論を出したいので、また行きたいな。スイス。
今度はロードトリップとかいいな。


#わたしの旅行記

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