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2024年1~3月ふりかえり

 2月にコロナに罹患して長めの休みの間にいろいろと映画や漫画をみていた。是枝裕和監督『海街diary』『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『真実』『ベイビー・ブローカー』を観て、これで彼の長編映画はほぼ全て視聴済みとなった(ほぼ、というのは、Coccoのドキュメンタリー映画があるらしく、それをまだ観ていないからである)。全作品を通して、もっとも私に近いなと思ったのは『そして父になる』の主人公良多(演・福山雅治)だった。愛すべき相手と自然に接することができない己に感ずる虚しさ、わかる気がした。
 ほかにheisoku『春あかね高校定時制夜間部』(レビューも書いた)松本大洋『東京ヒゴロ』タイザン5『タコピーの原罪』仲里はるな『BLAST』、小説で市川沙央『ハンチバック』を読んだ。

 『100分de名著』のテーマがリチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』だったので全4回を視聴した。これは私が卒論(ヘボい)の参考文献に使用した本なのである。さいきん哲学本からもご無沙汰していたけれども、今でも関心が持てる内容だということがわかって楽しかった。現代思想は高尚な研究者だけが語りうるものではなく社会に流通する会話によって体現されうるものなのだと……。ところで“終極の語彙(ファイナル・ボキャブラリー)” って格好良すぎだよな? 必殺技にしたい。

 ほかには劇場で2作『ゴールデンカムイ』『ボーはおそれている』を観たり、冨樫義博展に行きハンターハンターの複製原画を買ったり、『花束みたいな恋をした』を観て脳をやられたりした。

 たまに降ってくるオタクフィーバー期は何もなくても常に機嫌が良いという無敵状態になれるのだが、今はもう平常時に戻ってきたようで、通常の日は「無」の気分で生きている。瓜以外のコンテンツは摂れたり摂れなかったり。 

 12月くらいから瓜関係では私に見合わぬ反響をいただいてるなーという風に思っており、まい子と鍵谷の行方は今後も見届けるとはいえ、これからは瓜から離れたところ、つまり反響が少ないところに関する言語化とかを、どうやって続けていくのだろうか? というのはまだ分からない。瓜への愛を吐いていくなかで知ったのは、思考力がいまいちな私でも人に分かってもらえる可能性あるんだということ。それはすごいすごい嬉しい。ということ。特に拡散だったり、何かしらのコメントを貰えることはとても効く。普通にまあまあSNS中毒になる。
 でも、承認の快楽だけではなく、自分の脳の掃除のような意味でも、文章を書く効用ってあるなと思う。だから4月以降も、元気があれば、何かしらを読んだり書いたりするだろう。安全第一で(反動で全く動けなくなる未来とかも全然ありえるからね)。

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