もりしお

90年生まれです。

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クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』鷹見項希という男子について

 各所で話題の漫画、クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』。  本作は、ギター初心者の高校一年生・鳩野ちひろが、軽音楽部に入ってバンドを結成したり練習したり、ライブに出たりと奮闘する話である。  今回の記事で注目したいのが、鳩野と同じく谷九高校軽音部一年生の鷹見項希だ。  彼は第1話で鳩野がはじめてのギターを買う時に楽器店でたまたま居合わせており、後に部活でも再会することになる因縁の相手である。  鷹見は軽音部一年生のなかでも突出してギターが上手く、イケメンで勉強もできる

    • 2024年4〜6月ふりかえり

      ・5月上旬をピークに心境がいろいろ変わっていったし新鮮な気持ちがいっぱいで濃かった。総じて悪いことはひとつも無く、良い経験ができた。 ・旅行をした後も反動がなく、本当にメンタル的には気になる問題なく過ごせるようになっている。食欲は無い時期もあったけど回復。 ・観たいものや読みたいものが多くて追いつかない。 ・ドラマ『アンメット』など映像欲がわいたかと思えば活字が結構読めるようになったりしてる。 ・西尾維新/岩崎優次『暗号学園のいろは』が連載終了してしまった。私が見たかった西尾

      • 東京旅行記(瓜を破る巡礼)

         5月を待っていた。2ヶ月前から飛行機と宿をとって準備をすすめていた。  東京へ私を連れだしたのは板倉梓の漫画『瓜を破る』である。基本的に今回の旅はそれに関連することを中心に組み立てていた。作中舞台のモデルとなった場所を訪れる、いわゆる聖地巡礼だ。昨年も2.5次元の観劇のために東京へ行ったのだが、劇場と宿以外に用がなかったため観光は全くしていなかった。最後にゆっくりと旅をしたのはいつだったか覚えていない。もしかしたら学生の時かもしれない。もともと出不精かつ土地や食べ物に対する

        • 2024年1~3月ふりかえり

           2月にコロナに罹患して長めの休みの間にいろいろと映画や漫画をみていた。是枝裕和監督『海街diary』『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『真実』『ベイビー・ブローカー』を観て、これで彼の長編映画はほぼ全て視聴済みとなった(ほぼ、というのは、Coccoのドキュメンタリー映画があるらしく、それをまだ観ていないからである)。全作品を通して、もっとも私に近いなと思ったのは『そして父になる』の主人公良多(演・福山雅治)だった。愛すべき相手と自然に接することができない己に感ずる虚しさ、

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        • ご飯は私を裏切らない
          4本

        記事

          板倉梓『瓜を破る』9巻レビュー

           本日、板倉梓『瓜を破る』最新刊9巻が発売になりました。私は8巻の後から本誌で連載を追っています。まとまりとして捉えて初めて気づいたこともありましたので、9巻発売を記念してレビューしたいと思います。やはりきれいな構成だなとか、台詞に出ていない情感が素晴らしすぎるとか、思うことが多々あり、これからもずっとまい子と鍵谷を見届けたい……!! と心を新たにする、そんな最高の新刊でした。  完全にネタバレありですので、最新刊までお読みでない方は、以前の記事をご覧いただければと思います。

          板倉梓『瓜を破る』9巻レビュー

          heisoku『春あかね高校定時制夜間部』レビュー

           『春あかね高校定時制夜間部』は、『ご飯は私を裏切らない』の作者heisokuが描く、一風変わった高校生活系漫画だ。定時制高校を舞台に、前作でもみられた内省的でユニークな思考描写はそのままで、かわいいキャラクター達が生き生きしている。  たとえば谷原ゆめ。不登校の経歴があり、臆病で、見た目は背が低くぽっちゃりめ。発表会など目立つ機会には仮病を使ってドタキャンする癖があるが、「ネットで海外のスカルTシャツを買い集めているこだわり派の一面」があり、さまざまなドクロTシャツファッシ

          heisoku『春あかね高校定時制夜間部』レビュー

          社会福祉士の私が昨年の受験体験記を書き留める

          はじめに  最初に、この記事を書こうと思った理由を記しておく。まずは単に自分のための備忘録である。それから国家試験シーズン直前なら記事閲覧数も伸びやすいのではという色気もあって、たしか先月から書き始めたのだが、結局試験後の公開になってしまったので、そちらは意味が半減してしまった(本日受験された方、おつかれさまでした)。学習の過程から現在に至るまで、私のなかでひとつの宿題となったのは「自分を知ること」である。そのことを書き留めておくための記事である。  また私自身受験をするに

          社会福祉士の私が昨年の受験体験記を書き留める

          つれづれに2023年ふりかえり

           年間を通してメンタル安定していて、11月以降は完全にオタクになっておりテンションが高かった(現在も継続中)。こういう、一年をまとまりとして捉えて意味づけをしようと思えていること自体が、とても元気な証拠だ。なにかを総括するとか抱負を語るとかは、たぶん2018年とか、そのぐらい以来な気がする。とはいえ、週末の予定を詰め込みすぎないようにしてはいる。今年も油断せず、安心安全第一いのちだいじにやっていきたい。  2023年の元旦は劇場で『THE FIRST SLAM DUNK』を観

          つれづれに2023年ふりかえり

          このマンガが好き! もりしお選〜2023年末

           今年3月の記事の更新版です。  といっても、いつでもお勧めできる漫画なんてそうそう増えない。『瓜を破る』のみの追加です。今年、私のなかに大事な作品がひとつ増えたよ、という自分用の記録として上げます。  3つの項目にわけているのは、オールタイム〜は普遍性が強い、性癖〜は個人的な趣味が強い、おすすめはその中間、という捉え方かもしれない。 【オールタイムベスト9作品】場所、人、時代問わず推薦したいタイトル 岩明均『寄生獣』 岩明均『ヒストリエ』(連載中) 木尾士目『げんしけん

          このマンガが好き! もりしお選〜2023年末

          板倉梓『瓜を破る』について2(6巻を中心に)

          前回の記事は『瓜を破る』の全体について述べましたが、ここからは、38話〜41話(6巻収録)がとりわけ白眉である、という話をしたい。このこと自体は大半の読者から同意を得られるのではないかと思っています。 (以下ストーリーの核心に触れたネタバレを含む記述があります。 8巻51話にも少し触れています)  私自身、6巻まで読むか読まないかで作品に対する印象が全く変わったというぐらい重要なのがこの巻でした。いわば、「30代処女」の恋愛というレッテルの物語から、「まい子と鍵谷」という人

          板倉梓『瓜を破る』について2(6巻を中心に)

          板倉梓『瓜を破る』について1

           先日、板倉梓『瓜を破る』(既刊8巻)を読みました。恋愛漫画としてめちゃくちゃ面白かったです。初々しいカップルを見てニヤニヤしたい需要をお持ちの方には確実に満足いただけるのではと思います。  『瓜を破る』は、恋愛や仕事においてさまざまな境遇に置かれている女性たちの葛藤や気持ちの変化を描く作品です。自分の欠点や弱い部分を見つめ直して前を向いていくようなエピソードが多く、けして完璧ではない、他人に優しくない気持ちや振る舞いも含めた人間くささが描かれることが多いなという印象を受け

          板倉梓『瓜を破る』について1

          映画『怪物』覚え書き-音楽室での対話について

           是枝裕和監督・坂元裕二脚本の新作映画『怪物』を7月に映画館で鑑賞した。  今回は、語りどころが多いこの作品の全体を考察する体力はないが、主人公の小学5年生・湊と校長のシーンについて私が考えたことを記しておこうと思う。 (※以下、作品の核心に触れる重大なネタバレがあるのでご注意ください)  音楽室にて、湊は校長先生に対してある告白をする。校長がそれに対してアンサーをする、そして二人は言葉に出来ない思いを乗せて楽器を吹く、というシーンである。  湊「……僕はさ」  伏見「う

          映画『怪物』覚え書き-音楽室での対話について

          このマンガが好き! もりしお選

           いまの世の中に漫画の賞やランキングは数多いですが、一個人としてこれはおすすめしたい! という一覧を持っておくのもまた一興かなと思い、作ってみました。私がおすすめする漫画たちです。  あれが入ってない! というものもおそらくありますが、暫定的にこちらでお出ししてみます。 【オールタイムベスト9作品】場所、人、時代問わず推薦したいタイトル 岩明均『寄生獣』 岩明均『ヒストリエ』(連載中) 木尾士目『げんしけん』 黒田硫黄『茄子』 高松美咲『スキップとローファー』(連載中) 手

          このマンガが好き! もりしお選

          8月1日

           社会福祉士のレポート課題には結構苦労させられる。もう少し執筆過程を細分化してみると、段階を意識できてもっと楽にすすめられるのではないかと思い、まとめてみる。 まず問いに対してテキスト該当箇所を読み返しながら抜き書きする →足りない材料を調べながら、でてきたものを前後に並べ替える →主題を検討する、問いに対する自分の答えをおおまかに言葉にする(白紙にメモする) →文章を整理する →印刷してチェックし、レポートの文章を単体で読んだときに整合性がとれているかを確認する。自分で赤入

          7月31日

           モーニング33号(2021年7月15日発売)に掲載されていた山原中『余白の世界』が傑作だった。  芸人として成功を目指す主人公の真島が、何人もの相方を潰してきた結構モラハラなやつなんだけど、彼の日々のもやもやがリアルで親近感を持ってしまう。  真島は漫才グランプリで優勝しなければ人生終わり、と思ってしまっていたのだけど、現相方からの言葉で視界が開けた瞬間の演出がすごく気持ちいい。人生の荷物の重さに潰されそうになるけど、他の人間との関わりのなかでふと救われることってあるんだな

          7月23日

           6月は下記の目標を設定していたが、すっかりさぼって今日に至っていた。覚えてはいたけど、他を優先していた。  ・6月の振り返りを月末か7月月初にする。  できなかったことばかりを考えても仕方ないので、今回は、6月下旬から現在にかけてできたことを確認したいと思う。  まず仕事について。問題はないのだがなんとなくマンネリ化してしまっているというか、自分の話す言葉がなんだかぼんやりした感じになってしまっていることがずっと気になっている。  次に、社会福祉士の勉強について。第I期の