急に言われても
ご飯の約束が延期になってから6週間後に、突然LINEは来た。
突然と言っても、延期になっていただけでもとより行くはずではあったのだが、かなり間が空いたので既に記憶の隅っこに追いやってしまっていた。
通知が来たときは素直に嬉しくて、でも思ったよりは動揺も興奮もしなかった。
まだかなまだかな!としっぽを振って待ち侘びていてもかえって不安になるだけだろうと思い、約束のことは一旦置いといて他のことに注力しようと決めたのが良かったようだ。
「あ、忘れてなかったんだ〜よかった」
この程度だった。
なんならもっと信頼してあげなよってくらい。
「何度もリスケすみません!◯日って空いてますか?」
え〜と◯日ね。この日はたしか…お、空いてるぞ!
『だいじょうぶだよ』
っと。
ふーやっと決まったな。
どうしよっかな〜服とか買いに行っちゃおうかな〜
…ん?
待てよ。
◯日って1週間後じゃん。
すぐじゃん!
やばい!!
しばらく記憶の隅に追いやっていたが故に、スキンケアや運動、食事制限などの自己管理をお休みしていたのが仇となった。
鏡と向き合い絶望する。
も〜!急に言われても困るんですけど!
なぜかぶりっこ口調で相手のせいにしてみるが、早く会える方がいいよね、と自分で了承したんだからしょうがない。
半分は管理を怠った私のせいだし。
こうして残された1週間、私は顔にできた2つの大きなニキビを撲滅するため、毎日パックに勤しむことになるのであった。
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