【秋旅】車中泊中あの絶滅危惧種に遭遇した。in 高知
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ムササビのまち
UFOラインからなんとか人里にもどってきたわれわれ、
道の駅 633美の里(ムササビのさとと読む)で車中泊することにしました。
車中泊についての超ベーシックなルールが貼られています。
これさえ守ればいいという、車中泊フレンドリーな道の駅のようです。
新アイテムじまん
さいきん夫がそのすごい几帳面さで断熱シートで窓をふさぐやつを作ったので、こんなに明るいライトを点けてても全然外にあかりが漏れません。
そして電気を消すと真っ暗になります。すごいです。
突然の襲来
そんなかんじで外の光が一切入ってこない真っ暗の中で熟睡してたので、
深夜に突然響き渡った大爆音にはおどろいたなんてもんじゃありませんでした。
寝ていたわたしは自分が旅行中なことも
ここが車の中で、外は道の駅、ということも全部忘れ
自分んちで寝てるような気でいたので、
世界が終わるくらいの何かヤバいことが起きてる!と急いで上体を起こし暗闇の中となりの夫の肩かどこかをグワシっと強く握りしめました。
でも彼はのん気に大丈夫大丈夫と言う…。
そこで思い出しました。
ここは日本。わたしは旅行中。これは車中泊。
そしてこの爆音はmust be…
ああ、暴走族です。
あの絶滅危惧種がこの道の駅に到来したのです。
暴走族保護区
あの爆音が終末を知らせるファンファーレではなくただの暴走族とわかればもうこわくありません。
それから長いこと
ブオーンブンブンブンというふかし音や
キャーキャキャキャという笑い声がしましたが
興味深く耳をすませながらケータイをいじって過ごしました。
夫が窓のシートをめくり外を観察したところ、
族は男も女も車もバイクもいるそうで、
「若い?」とわたしが聞くと
「若いかどうかって…あれがおじいちゃんおばあちゃんなわけないだろ!もしそうなら元気すぎるしかわいすぎるだろ!」と言うのでわたしまで彼らのように
キャーキャキャキャキャと笑ってしまいました。
観察しながら夫は
「BOSOZOKU.Only in Japan. We saw them before was also SHIKOKU.四国はスゴイ!」と感動していました。
そう、車中泊で九州から青森まで旅したわれわれですが、過去に暴走族を観測したのは四国だけなのです。
(今回の高知とわがホーム愛媛)
もしかしたらほかでは絶滅してしまったのでしょうか?
それなら四国は特別保護区として名乗りをあげて…
と妄想していると外で
よーしそろそろいくぞー!という声と共に
笑っちゃうほどひときわけたたましい
ブオーンブンブンブンブンブンブンヴァンヴァンヴァンがしばし響き渡り族は去っていきました。
翌朝
平和でしずかな朝がきました。
ドアを開けて車内を片付けていると
朝早くからそうじに来ていたスタッフの方が
ホウキを持って近づいてこられて
「すみません、暴走族大丈夫でしたか?」とお気づかいの声をかけてくれました。
「すごい音でしたけど大丈夫です!」と言うと
「あちゃ〜!すみません!」と申し訳なさそうにされてしまい、勝手に泊まってるだけのわれわれ、大変恐縮です。
スタッフさんによると族は空き缶やタバコなどを散らかして帰ったそうです。ダメじゃないか!
「ゴミ箱があるのになんでそんなことをするんだろう?」とわたしが言うと夫は
「そりゃ自分たちがここに来たぞという証にわざとやるんだろう」と言いました。
へえ、そんな習性が。さすが夫、この研究の第一人者。
しかしそんなことをしていては共存の道は断たれてしまう。天然記念物だろうと迷惑をかけているといずれ駆逐されてしまう…。
……
…じつはゴミを散らかしているのは夜アクティブになる爺さん婆さんで構成されたギャングで
悪者にされた暴走族はじつは夜な夜な暴走しながらもそのゴミを片付けたり町の安全を守ったりしており
ある日その事実が明るみになり
あの優しそうな道の駅スタッフさんが
「ぼうそうぞくよ、お前ってやつは、お前ってやつは」って言って泣く…。
そんなはなしなかったっけ?
ああ、ごんぎつねか。なつかしいなあ。