窓を開ける
ほんのりと良い香りが入ってきたのと同時に
どこからか
「ご無沙汰しております」という声が聞こえた

声のする方を見る

そこには銀木犀が咲いていた

ああそうか、今年もその季節がきたのかと
思うその中に
かすかな懐かしさがこみ上げて
忘れたはずの悲しさがこみ上げた
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