ご当地キャラクターのご当地マグネット
キャラクター入りでシリーズ化されているアクリルマグネットはよく見かけるのですが、基本スルーです。しかし、ご当地キャラクターのマグネットと、メジャーなキャラクターだけどご当地色の強い立体的なマグネットは、ありです。その辺の基準は適当です。ご紹介。
北海道のメジャーな動物は、熊やキタキツネだと思っていたら、いつの間にかシマエナガが「雪の妖精」としてフィーチャーされるようになっていました。実は、バードウォッチャーの間では、かわいい鳥の一種として人気だったのが、ここ数年で一気にメジャーになったのだそうです。
2016年11月に「シマエナガちゃん」(講談社)という写真集が出版され、2020年4月までに約4万2千部を発行。動物の写真集としては異例のヒットになったのがきっかけです。
SNSで多くの写真がシェアされる時代になった背景もあり、すっかり北海道の代表的な動物にのし上がり、シマエナガちゃんというキャラクターが出現しました。
特にどこか自治体や観光協会がデザインを厳密に設定しているわけではないようですが、TBSがちゃっかり商品化済み。ほかに、オリジナルグッズを扱うショップや、シマエナガを模したお菓子・スイーツも道内に多数出現しているようです。
次は、秋田犬と柴犬のキャラクター。
キャラクターデザインをしているフレンズヒルという会社のキャラクターで、ご当地キャラクターと呼んでよいかは微妙ですが、一応羽田空港の土産物屋で、海外観光客向けのJAPANマグネットとして販売されていました。
日本の「伝統的なキャラクター」、三猿です。
1617年左甚五郎作、人生の教訓を8つの彫刻で図案化した、徳川幕府公式キャラクターとです。
下に引用する記事に、興味深い話が載っていました。
もともと三猿キャラクターは、「見ざる、言わざる、聞かざる」に股間を押さえている「せざる」を加えた四猿だという説です。「せざる」はつまり性的なことを「せざる」なのですが、幕府の施設としては相応しくないから削ったとか、四(死)は不吉だからとか、三猿にしたのは諸説がある模様です。
キティちゃん登場です。
キティちゃん(ハローキティ)は、数多くのコラボグッズがあり、ご当地マグネットとしても幅を利かせていて、その一つ。こちらは、ポリレジン製であり、東京駅舎の立体感がいい感じだったので購入に踏み切りました。
ディズニーがミッキーマウス等キャラクターのデザインライセンスをかなり厳しく制限しているのとは対照的に、サンリオはキティちゃんをはじめとするキャラクターを、積極的にライセンスアウトする方針のようです。
>都道府県や市町村など全国の自治体に活用いただき、皆様を笑顔にし、地元のPR、住民満足度を上げるお手伝いをしています。
>企業のブランディングや情報発信をキャラクターを使ってお手伝いしています。
とのことですので、ご当地マグネットにもしばしば登場するわけです。
後でまた登場します。
招き猫と七福神。これも伝統的日本キャラクター。
最近になって初めて知ったことがあります。
七福神は、日本の神様なのだろうと信じ込んでいたのですが、実は、各神様の出身宗教がさまざまです。出身だけを書くと、
恵比寿天 日本の神道
大黒天 ヒンドゥー教と日本の神道の習合
毘沙門天 ヒンドゥー教発祥、仏教にも登場
弁財天 ヒンドゥー教発祥、仏教にも登場
福禄寿 道教
寿老人 道教
布袋 仏教
複数の異なる宗教の神様が並んで吉祥の象徴になっているなんて、まさに日本ならではの発想ではないでしょうか。お宮参りを神社、結婚式を教会、葬式を寺で執り行うジャパニーズ、素晴らしい。
次のは、もともとアクリルキーホルダだったものを、キーホルダーとして使っていると取れてしまいそうだったので百均磁石でマグネット化したもの。
2022年に、「横浜F・マリノス」×「のぞみ号」30周年コラボレーショングッズとして発売されたものでした。この3羽のマスコットキャラクターはカモメがモチーフで、マリノスのホームゲームには本物が登場します。中の人などいません。3羽それぞれの設定については、以下をご参照ください。
横浜中華街から。
横浜中華街では、中国の動物パンダをモチーフにしたお土産やお菓子や中華まんなどがあちこちで売られています。このマグネットもその中の一つで、確かに「中華街キャラクター・マリンパンダ」として売られていたものですが、どう調べても出てこないので、どこかで公式に設定されたキャラクターではないようです。
キティちゃん、今度は鉄道会社とのコラボです。
このマグネットは、海老名駅の小田急ロマンスカーミュージアムの限定グッズとして販売されているものです。歴代ロマンスカー8種類もの車体のバージョンがあるのですが、特に鉄道マニアというわけではないので、購入は6個に留めておきました。(2個品切れだったとも言う)。
下の公式サイトで紹介されていますが紹介だけで、オンラインでは販売されていないようです。
次は、まさにご当地でがんばっているキャラクター。
熱海温泉ホテル旅館協同組合が売り出しているご当地キャラクター「あつお」(呼び捨て)です。いわゆる、設定が全然ゆるくないゆるキャラ。
”若かりし頃、社員旅行で訪れた熱海温泉に魅せられて、熱海から離れたくなくなってしまったところ、いつの間にか妖精化、熱海に住み着くことに。妖精化当初はもちろん見た目も若かったのですが、年月を経てかわいいおじさまになりました。”
だそうです。熱海温泉を訪れた際には探してあげてください。
次は、富士ハイランドのキャラクター入りマグネット。
富士急ハイランドが誇る、やる気がないヒーロー「絶叫戦隊ハイランダー」という紹介文の出だしだけで、正直ちょっと「うわめんどくせー笑」ってなりましたし、なぜ6人の戦隊なのに2人しか登場しないんですかと突っ込みたくもありますが、描かれた絶叫マシーンの立体感はなかなか素晴らしいマグネットです。
ハイランダーや、その周辺に設定されているキャラにご興味のある方は下の公式サイトをどうぞ。
公式youtube動画も多く出ているようで、ますますめんどくさい。是非ご覧ください。
お城とご当地キャラのコラボです。
わん丸君は、犬山城ではなく犬山市のキャラクターです。ひょっとして、彦根城とタイアップした彦根市のひこにゃんがブレイクしたのを見て、二匹目のドジョウを狙いにいったのかと思いきや、わん丸君の登場は2000年で、2006年登場のひこにゃんよりも先輩です。
わん丸君、詳しくはこちらで。
大阪でおなじみのビリケンさんのマグネットです。
ビリケンさんの数奇な運命。少し長くなりますが書いてよろしいでしょうか。
1907年アメリカのカンザスシティのイラストレーター、フローレンス・プレッツが詩人サラ・ハミルトン・バーチャルのおとぎ話ビリケンシリーズのためにデザイン。1908年特許出願。アメリカではグッズがヒットしたが考案者にはほとんど収益が入らなかった。
1909年頃日本に伝来。
1911年大阪の神田屋田村商店(現:田村駒㈱)が商標登録。販促用品や商品キャラクターで使われて流行。
1912年大阪新世界にルナパークが開業。パーク内の「ビリケン堂」に当時流行していたビリケン像が置かれ名物となる。
1923年(大正12年)にルナパークが閉鎖。以降、初代ビリケン像は行方不明。
1949年(昭和24年)に田村駒㈱がビリケン像を制作。これが1979年通天閣ふれあい広場式典で貸し出される。この時に安藤新平の木彫によって戦前のビリケン像が二代目として復元され、以来通天閣の名物に。
2012年通天閣100周年のリニューアルにあわせ三代目を新調。
一方海外では
1909年エスキモーの彫刻家がオリジナルのビリケン人形を米本土から買い入れ象牙でコピー品を製作。土産物としてアラスカを席巻し、流行歌が何曲も作られるほど爆発的ブームに。その後、アラスカ定番の伝統工芸品として定着。
ビリケンはさらにアラスカから極東ロシアまで広まり、なぜか民族伝統の神様として崇められている。
神戸市兵庫区の松尾稲荷神社には、大正初期に作られたビリケン像が祀られている。
Creepy Nutsが2023年「ビリケン」という楽曲をリリースしている。
セントルイス大学のマスコットになっている。
すごくないですか。言ってみれば、アメリカの連載おとぎ話のキャラクターにすぎなかったのに、大ブレイクして海を渡り、アラスカとロシアと日本で、なぜか伝統工芸品や神話の神様になっていると。ハンプティ・ダンプティやミッキー・マウスもびっくりです。
神戸のマグネット。
上の方に牛の顔が描かれていますが、神戸牛がモチーフのコーベイ君です。鼻が赤っぽいのがやや違和感ありますが。
神戸とBayでコーベイ君。神戸の旅行会社が2019年に生み出した、兵庫県非公認観光PRキャラクター。細かい設定もあって、ヌンチャクを振り回し5カ国に堪能で(以下略)
またまた登場キティちゃん。
夕暮れの安芸の宮島と原爆ドームのご当地マグネットです。夕日を照り返す海面が光沢仕上げになっている芸の細かさ。
キティちゃんのコラボグッズは、全世界でどれくらいあるのでしょう。実は下の記事に、キティちゃんグッズを集めてギネスブックに登録された方の記事が紹介されています。本当は1万点以上持っているのだけど制限時間8時間で数えられたのが5,169点だったから公式記録は5,169点。現在も増え続けているけどもう数えていない。とか。
その中に入っていましたかね、ご当地マグネットのキティちゃん。
最後は沖縄のキャラクター、シーサーです。
ルーツは最も旧いキャラクターかもしれません。紀元前数千年に遡ります。古代オリエント文明の獅子像が、シルクロードを伝わる過程で徐々に形を変え、中国から日本本土に広まったのが狛犬。朝鮮半島経由で琉球に伝わったのがシーサーです。
1639年、当時琉球王国で風水師が、沖縄本島南端の八重瀬岳に向けて獅子像を飾ると火災が防げると言ったのが普及のきっかけ。2体を阿吽(あうん)の対で並べる様式は、日本の仏教の影響です。
もちろんシーサー自体は特にどこかの組織が設定しているわけではありませんが、さらにシーサーをモチーフにしたマスコットキャラクターを定めているのは、例えば、沖縄県警「シーサー君」やRBC琉球放送「あーるびーしーさー」などがあるようです。
おしまい。