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ご当地マグネットのクマたち

最近は、過疎化が進む人里に下りてきて、農作物や人間に危害を加えることでマイナスイメージが強くなっているクマですが、もともとは愛すべき動物で、動物園でも人気があり、しばしばぬいぐるみになったりもします。
ご当地マグネットにも多く描かれている動物の一つです。


まずは北海道のヒグマ。

北海道マグネット
北海道マグネット
北海道マグネット
北海道網走マグネット

ヒグマがモチーフのマグネットではなく、「ヒグマがモチーフの木彫り」をモチーフにしたマグネットなのでは…という疑惑が残るものもありますが。
北海道ではそもそも、ヒグマが鮭を咥えた木彫りのクマが土産物としてあまりにも有名です。wikiを引用しますと、
「大正13年徳川義親の唱導により、開拓民の副業として八雲村の「徳川農場」で試作されたのがはじまり。北海道は「郷土玩具不毛の地」といわれてきたが、昭和に入って全国に知られるようになり、戦後の観光ブームの波に乗って人気を獲得、昭和40年代にそのピークを迎えた。」
ですって。また、
「「アイヌの伝統工芸品」とのイメージが強い。だが、伝統的なアイヌ文化においては「リアルに象られた物は、魂を持って悪さをする」との考えがあり、アイヌは動植物、あるいは人物の姿をリアルな形で木彫としたり、絵画として描いたり、織物に織り込むことはしなかった。ましてカムイとされるヒグマをリアルな姿で木に彫り込むのはあり得ないことだった。」
ですって。
ちなみにですが、世界のクマに比べて北海道のヒグマはあまり鮭を食べない(アラスカのクマの栄養源は30%が鮭なのに対して北海道のクマは僅か5%)という生態研究結果があるそうです。



続いて、北海道マグネットの、熊は熊でもシロクマ(ホッキョクグマ)。

北海道マグネット

不運にも、流氷に乗ってオホーツク海を超えてやってきてしまったシロクマでしょうか。だいたい毎年やってくるイメージを勝手に持っていましたが、実は明治以前に1回宗谷地方来た記録があるだけとか。だとするとこれは、札幌円山動物園で飼育されているシロクマかもしれません。


次はいきなり九州に飛びます。

熊本マグネット
熊本マグネット

「熊本の旅でくまモンを見たら死ぬゲーム」みたいなおふざけがxでバズるほど、熊本県内はくまモンだらけです。

つまり熊本観光土産はくまモンだらけ。当然熊本マグネットもくまモンだらけ。自分は、「逆に熊本空港でくまモン1,000匹みつけたら100万円もらえるゲーム」に余裕で勝つ自信があります。
ちなみに熊本県では、クマはとっくの昔に絶滅しているというのが定説です。


次は海外。

カリフォルニアマグネット
カリフォルニアマグネット

2つとも、カリフォルニア州の地図に各地の観光資源を配置したマグネットですが、両方ともグリズリーベアが描かれています。カルフォルニア州には州旗があり、実はそこにグリズリーベアが描かれています。

カリフォルニア州旗

州旗に記載されているCALIFORNIA REPUBLIC(カリフォルニア共和国)というのは、米墨戦争の最中にメキシコ合衆国から分離独立したもののアメリカ合衆国にすぐ割譲され、ごく短期間(1846年6月14日 - 同年7月9日)存在した共和国の名です。州旗の制定自体は1911年なのですが、「かつてこの州は独立した国家だったんやで」と主張したかったのでしょうか。
グリズリーベアですが、こちらもカリフォルニアではとっくの昔に絶滅種となっています。


ロンドン。

ロンドンマグネット

クマのぬいぐるみのマグネットです。ロンドンにある、イギリス最大の老舗高級百貨店「ハロッズ」のイメージキャラクターで、ハロッズ=テディベアという認識が広まっているほど有名なぬいぐるみです。イギリス人作家のA.A. ミルンが、1921年このハロッズのぬいぐるみを息子のために買って帰ったことをきっかけに「くまのプーさん」を生み出したと言われています。
それほどに由緒正しいのですが、このマグネットのテディベアが(明らかにハロッズながら、)ハロッズに公認されたものかどうかは定かではありません。
なおイギリスのクマは11世紀、ノルマン人が征服した時に大量の狩猟で絶滅させたようです。


パンダも中国名は「熊猫」。れっきとしたクマ科の動物です。

横浜中華街マグネット
横浜中華街マグネット

横浜にパンダはおりません。が、横浜中華街には中国のパンダをゆるくマスコットキャラにしている店舗がいくつかあり、そのマグネットです。実際に日本でパンダが見られるのは、東京都の上野動物園と、和歌山県のアドベンチャーワールドです。


最後は動物のクマではなく…

鹿児島マグネット

鹿児島名物の氷菓子、セイカ食品の「白くま」です。鹿児島で広く普及した「白熊」は、農林水産省公式見解によれば、
削った氷に練乳をかけ、その上にチェリーやレーズン、みかん、パイン、小豆、寒天と、色とりどりのトッピングをのせた氷菓子のことで、その名は全国に知られる。「白熊」は、昭和20年代に創業した老舗飲食店が発祥であるといわれている。発売当初は、白蜜、赤蜜をかけたシンプルなかき氷だったが、いちごに牛乳をかけてみると美味しかったことにヒントを得て、練乳をかけたものの、今度は甘すぎてしまたったため、改良を重ねてさっぱりとした練乳ミルク風味のシロップにたどり着いたという。

全国のコンビニでカップ入り白熊が見られるようになったのは確か1990年代ではないかと記憶していますが、鹿児島では昔から天文館の喫茶店「むじゃき」などで食べられる地元名物でした。「どこが白熊やねん」と思われるかもしれませんが、むじゃきさんのサイトによれば、発祥当時は飾りつけのアンゼリカ、チェリー、レーズンのトッピングの配置がシロクマの顔だったと説明されています。

天文館むじゃきの初期の「氷白熊」
天文館むじゃきの現在の「氷白熊」
ゴージャス

もはやカップの白熊にはクマの顔は残っていないようですが。

と、いうわけで、

北海道のヒグマ以外は、どのマグネットのご当地にも、本物のクマは現存しないってことが分かりました。
おしまい。



これで、マグネット集めの世界マガジンの記事として44本目になりました。