「秋めいてきましたね」と言いすぎてしまった結果・・・

「いやー、夜も肌寒くなってきて、季節はすっかり秋だな~」

スリムクラブ内間よろしく、季節はすっかり秋になった。
秋は良い。
暑すぎず・寒すぎない。

「ずっと秋で良いよね」

副都心線で、若い女性二人組が話していた。
深く頷いてしまった。

秋めいてきた

9月も中旬になり、
夏の香りを残しながら、徐々に秋に移行している。
いわゆる”季節の変わり目”だ。

夕暮れの時刻がだんだんと早くなり、
夜になると少しひんやりとした風を感じるようになった。

秋めいてきている。
秋めいてきた。
秋めいてきたら。
秋めいているとき。

とにかく、秋めいているんだ。

「秋めいてきた」

口に出してみてはくれまいか。

なんだろう。
言い心地が良いというか。
口にしっかりと”くる”というか。

つい、口に出して言いたくなる言葉なのだ。

そんなこんなで、
コロナ渦でも時差出勤でオフィス勤務を命じられているぼくは
オフィスで同僚に「秋めいてきましたね」と言いまくっている。

「おはようございます。秋めいてきましたね~。」

「お昼行ったんすけど、なんか秋めいてません?」

「コンビニ行ってきたんですけど、なーんか秋めいてますよ。」

「あ、お疲れ様です。もう半袖だとちょっと寒いですよね~。・・・何線ですか?あ、半蔵門なんすね。へー。駅からどれくらいなんですか?・・・へー。まあ、近い?ですね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っすー・・・・・秋めいてきましたね・・・・・・・・。」

たくさん言った。
秋めいてきた、と感じた初日から連日言いまくった。

すると、

「言われなくても感じてるし、さすがにうるさい。」

「お前で秋の訪れを感じたくない」

「もう分かったから、繰り返しの面白さで遊ぶな」

と、同僚からめちゃくちゃ怒られてしまった。

反省し、オフィスを出た。

やっぱり、夜風は冷たくなっている。

「秋めいてき


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