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レアル・マドリーではどんな人材が働いている? コンサル出身・元社員の証言
レアル・マドリーのような世界的ビッグクラブでは、どんな人材が働いているのか? そんなことを考えていたら、Number Webの取材でホセ・ラモンさんと知り合いました。
ラモンさんはバルセロナ出身で、もともと世界的コンサルティング会社『KPMG』で働いていた財務のプロ。ある日ヘッドハンターから「レアルで働かないか?」とオファーが届き、ドリームジョブを手にしました。
そこからレアルで10年間、戦略計画やデジタルトランスフォーメンションを担当したそうです。
【ホセ・ラモン経歴】
2006.1-2006.8:KPMG / ファイナンスアナリスト
2007.9-2017.4:レアル・マドリー / ストラテジック・プランニング・アナリスト → ヘッド・オブ・アドミニストレーション
2018.3-:Player Lens / マネージングディレクター
今回のNumberの取材は、ラモンさんが起業した“選手マッチングサービス”『Player Lens』の取材でした。
ラモンさんのレアル時代の話はNumberでは触れられなかったので、noteで紹介したいと思います!
-レアル・マドリーで働くことになったきっかけを教えてくれますか?
ラモン:私の専門はコーポレート・ファイナンスで、KPMGでコンサルタントとして働いていた。そんなある日、ヘッドハンターから電話があり、「レアル・マドリーが新たに経営戦略の部門を立ち上げるので、働かないか」と誘われたんだ。
レアルは世界一のクラブのひとつ。仕事内容もコンサルタントとしてやっている仕事に似ていた。大きな挑戦だと思い、レアルへの転職を選んだんだ。
バルセロナ出身なので子供のときはバルサのファンだったが、仕事は仕事。友達から「裏切り者」とは言われなかったよ(笑)。
-日本だと大手コンサルティング会社からサッカークラブに転職したら、給料が大きく下がります。レアルはどうでしたか?
ラモン:金額については守秘義務があるから話せないが、当時25歳ということもあって、それほど給与に大きな変化はなかったよ。キャリアの初期だったからね。
スポーツ業界はプロフェッショナルな専門家が必要だ。レアルは収益を最大化するために、元コンサルタント、元銀行家を必要としていた。サッカークラブにとって、そういう人材はすごく価値がある。
—最初の3年間は「ストラテジー・プランニング・アナリスト」という役職でしたね。日々の仕事を教えてください。
ラモン:役割はクラブの戦略や計画を5年周期でつくること。クラブ内にコンサルタントがいるみたいな感じだね。クラブ内のすべての部門に対してコンサルタントを行い、プランが実行されているかをチェックする。
クラブの新しいビジネス領域を探したり、他業界からビジネスモデルを学んで導入したりもした。とはいえ、予算を決めるのはあくまで役員で、私たちはあくまでコンサルする立場だ。
-スペインではクラブ内にコンサルタント人材を持つのが普通なんですか?
ラモン:私がレアルに入った2007年は、まだこういう部門を持つクラブは少なかったね。今もそんなに多くはないと思うよ。
-Jリーグのクラブでは、まだ経営戦略部門は一般的ではないと思います。予算がないので。
ラモン:いや、これはお金の問題ではない。長期的に考えられるかどうかの問題だ。予算の規模に応じて、予算の一部を人材に投資すればいい。お金を理由にしてはいけないね。
-次に「ヘッド・オブ・フットボールアドミニストレーション」を7年間務められましたね。
ラモン:クラブ全体のビジネスを学んだあと、移籍、契約交渉、予算計画、アカデミー運営を統括する立場になった。
たとえばFIFAのTMS(Transfer Matching System)の運用や、FIFAとの書類のやりとりをする。 また、選手の契約期間・契約状況といった情報のデジタル化に取り組んだ。選手は財産。デジタル化してデータベースにすれば、クラブの歴史にもなる。
-レアルで10年働いたのち、『Player Lens』を共同創業しました。起業の経緯を教えてください。
ラモン:きっかけは香港のゴールドマンサックスで働いていたリー・へミングスから誘われたことだ。彼はサッカーの専門家を探していて、レアルで世界的なネットワークを築いた私に声をかけた。
私はチームビルディングから始めた。正しい人を正しい場所に配置しなければならない。 必要だったのは、各大陸の各クラブとネットワークを持つ人物だ。ヨーロッパ、南米、アジアの優秀な人材をチームに入れた。
『Player Lens』はまだ始まったばかりのサービスだが、すでに600以上のクラブが使用している。サッカーの移籍業界は古いままだ。テクノロジーでデジタル化し、透明化してディスラプト(破壊)したい。
(写真:Player Lens)