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幽刃の軌跡 #15

第15話: 戦火の加速

那須弘明の「神射一閃」と西東大森の「金剛守手」が激突し、双方の霊域がぶつかり合った瞬間、戦場は一瞬の静寂に包まれた。しかし、その静寂は戦闘が再開する前触れでしかなかった。

「今や!!全陣全速前進!!進め!!!!!」

静寂を切り裂くように高知竜馬が叫んだ。その声が響くと同時に、小舟隊30隻が一斉に港へ向かって猛進を始めた。波を切り裂くその姿は、まるで一つの生き物のように統制が取れており、その動きは迅速かつ的確だった。

那須は前線の壊滅した弓部隊を見つめ、即座に次の指示を下す。

「すぐに陣営を立て直せ、奴らの上陸に備え第二陣沿岸に待機せよ!好き勝手やりおって…」

那須の冷静な指示のもと、平安軍は急速に再編されつつあったが、竜馬の小舟隊はすでに彼らの計画を混乱させるほどの速度で接近していた。那須は「神射一閃」で小舟隊を狙い撃とうとするが、竜馬の巧妙な指揮のもと、舟隊は次々と散開し、狙いが定まらない。

一方、竜馬の「闘剣の牙」が振るわれるたびに、平安軍第四軍陸路隊が大きな斬撃の衝撃を受け、その陣形は徐々に崩れていく。地面に深く刻まれる裂け目は、竜馬の霊域がいかに強力かを物語っていた。

那須は焦燥感を抱きつつも再度反撃に転じる。「神射一閃」で竜馬を狙い撃つが、その矢は大森の霊域「金剛守手」によって防がれる。大森の巨大な黄金の手は、まるで壁のように竜馬を守り、那須の攻撃を悉く遮った。

戦場は二つの強力な霊域の衝突によって揺れ動き、緊張感が高まっていく。那須は再び矢を放ち、竜馬も斬撃を繰り出すが、互いに相手の攻撃を防ぎ合い、決定打を見出せないまま、戦いは熾烈さを増していった。

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