幽刃の軌跡　#24

第24話「妖力の支配」

夜叉ノ闇が解放され、天狗の妖力が戦場を覆い尽くす。竜馬はその圧倒的な力に圧倒され、ほとんど防戦一方となっている。

竜馬「…これが妖力っちゅうやつか…こんなもん、防げるはずないわ。何も見えん…くそっ！」

竜馬は必死に天狗の攻撃を防ぐが、攻撃の手は止まらない。天狗の凶悪な笑い声が戦場に響き渡る。

天狗「ほう、弐式憑依を使ったお前でもこれが限界か。笑えるな！どうだ、小僧、わしの力を目の当たりにして…恐ろしかろう？」

竜馬は汗をかきながら防御を続ける。だが、その表情には焦りが滲んでいる。

竜馬「くっ...」

天狗「ほれ、これでも食らえ！」

天狗は朱留の身体を操り、斬撃を次々と繰り出す。その攻撃は次第に速く、重くなり、竜馬は防ぎきれず後退を余儀なくされる。

一方、那須、明菜、大森たちも遠くからその異常なエネルギーを感じ取っている。

那須「明菜殿…あれはもはや朱留殿ではありません。何か異質なものが…」

明菜「そうですね…妖力で朱留さん完全に支配されている…」

大森「ほんまにやばい状況でごあす…竜馬殿が持つでしょうか…」

彼らは戦場から距離を取りつつ、天狗の妖力に圧倒されている状況を理解し始めている。

天狗は、朱留の身体に完全に馴染んできたことを感じ、さらに攻撃の手を広げる。朱留の意識はどんどん薄れ、彼の身体は天狗の操り人形のように動かされていく。

天狗「よしよし、この身体もようやくわしのものになってきた。久しぶりの解放じゃ、わしの力を見せてやろう！」

天狗は朱留の体を完全に支配し、戦場で暴れまわる。彼の凶悪な笑い声が響き渡り、竜馬はその攻撃に耐え切れずに徐々に押し込まれる。

竜馬「こいつの攻撃…どんどん早くなってきてる…このままじゃ、あかん…！」

天狗はさらに妖力を解放し、周囲の大地さえも震え始める。その膨大な力により、戦場は暗黒に包まれ、朱留の意識は完全に支配されてしまう。

天狗「ふははは！これがわしの力じゃ！妖力"夜叉ノ闇"を使いこなすのは、このわしだけよ！この身体も、そしてこの地もすべてわしのものじゃ！」

朱留の心の中では、彼の意識が遠のき、天狗の支配が完全に及んでいる。彼の中で何かが叫んでいるが、それはもうほとんど届かない。

天狗「さあ、小僧、わしに屈服しろ。そして、この力を享受せよ…お前はただの器に過ぎぬ！」

朱留は最後の抵抗を試みるが、もはやその声はかすかなものでしかない。

朱留「……帰りたい……帰りたいだけなのに……」

天狗「ふははは！帰る場所などないわ！お前はこれで終わりじゃ！」

戦場は、天狗の妖力で完全に覆われ、竜馬は防戦一方のまま窮地に立たされている。大森たちも、その異常なエネルギーに圧倒され、手出しができない状態が続いている。