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幽刃の軌跡 #33

「潜伏の裏に潜む真実」第33話

時は遡る……影天部隊本拠地、平場宮殿地下室。


影天部隊長、熊谷景虎(くまがい かげとら)の厳しい声が響く。 

「今回のメンバー構成を発表する。東部四軍には篠原副官を含めた4名が潜伏する。各自、潜伏先は副官に任せる。そして、私と共に西軍四軍に入る4名は今から打合せを行う。この任務は今後の平場国の命運を握るやもしれん。心してかかれ!」


別室で尊を含めた3名と景虎が対面する。


景虎「今回の重要任務だが、最も重要な潜伏先である七番隊には……那須弘明、お前にいってもらう。入って間もないが、それがむしろ好都合だ。それに私は七番隊に潜伏できない理由もある……」 


那須「ぎょ……御意!!」

困惑しながらも答える那須。 


景虎「そして八番隊には源、お前に任せる。」 

尊「わかりました。心して行います。」

 景虎「皆の成果を期待しているぞ。」


八番隊駐屯地門前に戻る。(現在)

依然として混乱が続いている……


八番隊員1「すぐに都へ伝令を送れ!!!」

八番隊員2「皆の者、沈まれ!!!誠範隊長の周りをくまなく調べろ!!!!!関係ない者を現場に入れるな!!!!!」


皆、必死で何かをしようとする中、弁景が尊に目を向ける。


弁景「お前もか……」

弁景は尊の姿を見て、彼が影天部隊の一員であることを察知し、すぐに那須に目をやる。


弁景「那須、説明したれ。」


尊は困惑しながらも、那須の言葉を待つ。


那須「源先輩、少し場所を変えましょう。ここでは話せません。」


尊「……わかった。」

心の中で理解が追いつかないまま、尊は従うことにする。


そして、門前から少し離れた場所に移動した尊、七番隊長である牛若、弁景、そして那須の4人が対面する。


那須「ご説明します、源先輩……」


尊「話せ……何が起きているんだ?」


那須「実は……ここにいる奥洲副隊長は、熊谷隊長の前に影天部隊長を務めていたお方です。」


尊「なに……どういうことだ……」


那須「熊谷隊長が七番隊への潜入は出来ないと言った意味は、奥洲副隊長と顔見知りだからです。」


弁景「そうじゃ。まああいつが来ても意味をなさん。ただ、俺も若も、今回の暗殺事件が起こることを予想していたが……間に合わなかった……」


尊「ということは、やはり……」


弁景「お前、何か知っているな?」


尊「はい……実は昨晩、八番隊敷地内で一番隊長である平朝光様の姿を目撃しました……」


牛若「やはりな。奴がこの事件の黒幕だ。」


尊「……くそ……もっと私がしっかりしていれば……」


弁景「嘆いても仕方がない。この件はすでに景虎に伝えてある。景虎からは篠原、篠原からは藤原殿にまで情報が届いているはずだ。」


牛若「八番隊内の混乱は続くだろうが、いずれ他の軍から援護が来るだろう。……源といったな?」


尊「はい。源尊です。」


牛若「私たちに同行しろ。これから戦を始めるぞ……」

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