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幽刃の軌跡 #40

40話: 平場の戦局

朝光の首が飛び、首を持つ牛若はボロボロの姿に戻る。その瞬間、茂道も力を失い、白目をむいて床に崩れ落ちる。九国のスパイは暗闇に紛れて「森羅万象 無尽封域」を解き、奇妙な笑みを浮かべながら逃げ去る。


那須「やつを逃がしてはならん!!!」

真彦「那須、無理をするな。やつは直接この戦いには関与しておらん。深追いは禁物だ!」

綾香「それよりも、この惨状をどう説明すれば……?」


その場には牛若、真彦、綾香、明清、那須、意識を失った琳守と茂道が残っている。


突然、声が響く。


平場王「全ては把握しておる。安心せえ。」

真彦「この声は……国王様!!」


真彦が振り向くと、会議室の外には平場王・政丸の姿があった。


真彦「なぜ国王様がここへ……そして、全てを把握とは?」

平場王「見ておったのだよ。お主のそれでな。」

真彦「私の……?」

綾香「気づかなかった……真彦様、肩に小さな狐が……」

真彦「これは……静華の霊域……」

平場王「そうじゃ。静華は妊娠中で霊域を使えんが、欠片を創り真彦に憑けておったのじゃ。」

真彦「そうですか……」


平場王は真彦に詫び、ある頼み事を持ちかける。


時間が少し戻る。外苑では、一番隊員たちが異常な霊域の気配に驚いている。


琴太「なんて霊域だ……宮殿内で何が起こっている? ただの会議ではないはず……」


不安を抱きながら宮殿を見つめる琴太。その時、突然の轟音とともに影天部隊長・景虎、副官・景秋、弁景が真男を連れて登場する。


真男「お前ら! 俺をこんなところに連れてきて何をする!」

琴太「真男様!」

真男「おう! 一番隊か! こいつらをどうにかしろ!」


隊員たちは混乱し、事態を把握できずにいる。


琴太の回想シーン。影天部隊に入る前、真男との会話。


真男「琴太よ、お前は平家の未来だ。俺よりも強くなれ。」

琴太「真男様……私も真男様のように強くなりたいです!」

真男「ああ、強くなれる。お前はもっと……だから、影天部隊に推薦状を出しておいた。平家では初の入隊となる。それほど、昨今強き者が平家にはいなかった。頼んだぞ。」


真男は琴太の憧れであり、その言葉が彼の成長を促す。


現実に戻り、琴太は霊域を解放する。


琴太「真男様!!すみませんが、影天部隊長たちでもこの事態は許せません! 霊域解放……金刀比羅の刃!!」


隊員たちはざわめき、影天部隊長たちも焦りの色を見せる。


景秋「まずい……私がやつの相手を……」

弁景「いや、結界が崩れる! まずいな……」


状況は緊迫し、琴太の行動が戦局を左右することになる。



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