見送るということ #6
納骨の日は穏やかに晴れた日となった。思えば葬式の時も風もなく静かな日だった。これも父の生前のお陰とは、微塵も思わない。
とにかく、病気になり介護施設を利用するようになってからの父には振り回された。
足腰が弱って転びやすくなり、家に中だろうが庭先だろうがよく転んだ。夜中に転んで大ケガをした事もある。
「何か用があるなら呼べ」と言い聞かせるのだが、「分かった」と返事だけで一人で立とうとする。そして転んで「立てなくなった」と家族の手を煩わせる。
足腰が弱っても気だけは強がるから始末