3つの登場人物がスムーズなモバイル通信を可能に!1分で分かる移動体通信の仕組み
「スマホで会話するときって、相手と直接つながっているのかな…!?」
はい、こんにちは!松井真也です。新シリーズ「1分でわかる!ネットワーク用語」第12回でございます。
前回は、高速PLC(Power Line Communications)についてお話ししました。電力線を使ってデータの送受信をする技術でしたね。既存の設備を有効活用して、ケーブルを減らして設置・運用コストが低く抑えることができるのでした!
さて、今回から移動体通信についてお話しします。簡単にいえば、ケータイやスマホに使われる通信技術です。大きなテーマですから、次の通り4回くらいに分けて紹介します。
移動体通信の仕組み
多元接続方式の違い
通信の世代:1Gから5Gまでの進化
ローカル5Gとその可能性
インタネットへのアクセスに毎日使っているけど、どうつながっているのかよく分からない~という方、必見でございます!
では、続きをどうぞ!
移動体通信の仕組み
まず、移動体通信とは何か?というところからいきますか!
これは、移動中の端末(例えば、スマホやタブレット、ノートパソコンなど)が無線通信を利用して情報を送受信するシステムのことを指します。このブログ記事では、スマホを使った通信をイメージしてくださいね。
この移動体通信は、端末、基地局、交換局という三つの大きな要素で構成されています。スマホはトランシーバみたいに直接端末同士が通信をしているのではないんですよ~。
それぞれが独自の役割を簡単に見ていきましょう。
1)移動端末
私たちが日常使っているスマホやタブレットなどの通信機器です。これらの端末は、電波を介して基地局(後述)と通信を行います。
例えば、スマホで電話をかける時やインターネットを使う時、端末は最寄りの基地局に信号を送り、そこから通信網に接続されます。
2)基地局
端末から無線で信号を受信し、それを交換局(後述)へと送る役割を持っています。基地局にはアンテナや無線装置が備えられており、複数の端末と同時に通信できるようになっています。(この複数の端末が同時につながる仕組みは、次回にお話しする予定です!)
基地局の通信範囲は「セル」と呼ばれ、このセルが繋がることで広いエリアをカバーしています。
3)交換局
これは通信網の中核を担う施設で、基地局からの信号(音声やその他のデータ)を受け取り、他のネットワークや端末へとルーティング(つなぎ変え)する役割を持っています。
基地局と交換局の間は、有線です。無線なのは、基本的に端末と基地局の間だけなんですよ。
ですから、これらの移動体通信の仕組みは、無線と有線を組わせたアクセス回線といっていいでしょう(文脈によっては、端末~基地局の無線区間のみを「アクセス回線」と呼ぶこともあるようですが)。
スムーズ!次から次へと基地局を繋ぎ変え
最後に、ハンドオーバの仕組みについて触れておきましょう。直訳すれば、「手渡し」というところでしょうか。
ハンドオーバとは、移動中の端末が一つの基地局から別の基地局へと無線接続を切り替える作業のことです。これにより、たとえ移動中であっても、通信の中断なくスムーズに通話やデータ通信が継続できるのです。
例えば、電車に乗っている間に電話をしている場合(マナーは守りましょう♪)、端末は移動に伴って連続的に最適な基地局を選び、それぞれの基地局との接続を切り替えます。
この切り替えは非常に速やかに行われ、通常はユーザーはその過程を意識することはありません。気づかないですよね!?そのスムーズさに驚きます。手渡しのイメージとピッタリかもしれません。
ハンドオーバのおかげで、移動している間も通話やデータ通信が途切れることなく続けられます。
はい、本日はここまで。今回は移動体通信のうち、移動体通信の構成要素とその連携、そしてハンドオーバについてお話ししました。
次回は、もっと技術的な話、移動体通信の多元接続方式についてお話しします!
では!