ファイアウォールの安定運用のカギ:冗長化
はい、もう年末ですね!連続記事で「ファイアウォール」について解説しています。
前回は、ファイアウォール機能を含むセキュリティ機能の詰め合わせ「UTM」についてお話ししました。管理しやすくコストパフォーマンスに優れるもの、SPOFになるリスクもある、というようなお話しをしました。
今回は、ファイアウォールそのものに関する話に戻りまして、「ファイアウォールの冗長化」についてお話しします。ファイアウォールは、基盤的なセキュリティ機器です。HA(高可用性)を維持するために、「故障して外部とのトラフィックが止まってしまう」という事態を避ける工夫があります。その一つが「冗長化」です。
どんなものか早速見てみましょう!
主系と待機系の役割
ファイアウォールの冗長化では、主系と待機系の二つのシステムがあります。主系は、アクティブ状態で稼働し、待機系はスタンバイ状態で待機しています。
絵にすると次の通りです。
主系が通信に使われつつ、待機系は主系とデータを同期させながら、「いつでもかかって来い!」と活躍の機会を待つわけです(いや、活躍の機会が多いのも困りますけどね)。
主系と待機系をつなぐケーブルは、「フェールオーバーリンク」と言います。
障害が発生したらどうする?
さて、障害は起こるもの。主系に障害が発生したとしましょう。
すると、通信が自動的に待機系に切り替わります。これが「フェールオーバ」です。
かくしてユーザは、ファイアウォールに障害が起きたことに気づかずに利用できます。
障害が解消された後、元の主系が再びアクティブになり、待機系がスタンバイになります。これが「フェールバック」です。
なお、「フォールバック」という言葉がありますが、これはサーバなどが異常時に機能や性能を制限して行う「縮退運転」を指すものです。紛らわしいのですが、区別しましょう!
はい、本日はここまで!主系と待機系によるファイアウォールの冗長化のお話しでした。
しかし、どのような仕組みで主系と待機系の切り替えるのかなど、細かい話ができませんでした。
次回は、ファイアウォールの冗長化をもう少し掘り下げましょう。
では!
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