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SONET/SDHとは? - 光ファイバー通信の魅力をわかりやすく解説!
「ピンク色のクマの話かと思った方、読んでおいた方がいいですよ!」
はい、こんにちは!松井真也です。新シリーズ「1分でわかる!ネットワーク用語」第16回でございます。そして最終回でございます!
前回は、近年注目されている「ローカル5G」についてお話ししました。5Gには、「高速・大容量、低遅延、同時多数接続」という重要な特徴がありましたね。この特徴を活かして、一般の企業や自治体が独自に遠隔操作、自動運転、センサーなどを実現するのでした。
さて、今回は、光ファイバー通信のSONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)についてお話ししますね。
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何それ?ピンク色のクマのやつ?ポストペット?いや、そっちじゃないw。さては同世代ですな!
簡単に言うと、光ファイバーを使った高速デジタル通信の国際規格なんです。これがあるおかげで、私たちのインターネットはものすごいスピードで情報をやり取りできるわけです。地球の裏側にいる友達にメールを送っても、あっという間に届くのは、この技術のおかげなんですよ!
地球の裏側までの接続を支えるこの技術。ちょっと詳しくなりませんか?
早速見てみましょう!
SONET/SDHは同じ技術の別称だった
では、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)の概要についてつかみましょう!
日本語にするなら、「同期光ネットワーク/同期デジタルハイアラーキ」となるようですが、ほとんど日本語になっていませんねw。
名前が長すぎる?御意。スラッシュが入っていますが、SONETとSDHはだいたい同じ技術を指しています。北米ではSONETが、欧州ではSDHが使われています。
SONETはもともと米ベルコア社が開発したもので、ANSI(米国国家規格協会)によって標準規格として採用されました。その後、SONETをベースにして少し手を加えたものがSDHとして、ETSI(欧州電気通信標準化機構)とITU-T(国際電気通信連合)によって国際標準になったんですよ。
SONET/SDHの主な特徴
では、SONETやSDHの特徴って、何でしょう?
それは、たくさんの通信路を一緒に束ねて、大量のデータを送ることです。その通信路の基本単位として、SONETではOC(Optical Carrier)-1、SDHではSTM(Synchronous Transport Module)-1があります。
SDHの基本単位であるSTM-1の速度は155.52Mbpsです。一方、SONETの基本単位OC-1の速度は51.84Mbpsです。何か気づきますか?そう、STM-1は、OC-1のぴったり3倍です。
これをたくさん束ねて(多重化して)高速化していきます。4本束ねればSTM-4、16本束ねればSTM-16となります。ちなみに、256本束ねたSTM-256では約40Gbpsにもなります。
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SONET/SDHの相棒のプロトコル「ATM」
最後に、SONET/SDHがどのように使われているかを見てみましょうか。
SONET/SDHはどの階層の規格かというと、物理層です。では、その相棒となる上位のデータリンク層の規格は何かというと、イーサネット!といいたくなりますが、多くの場合、ATM(Asynchronous Transfer Mode;非同期転送モード)です。
このATMとい規格もワンセットで覚えておきましょう!(現金自動預け払い機…ではないぞ~w)。
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ATMとは、高速な通信を行うために開発されたデータリンク層のプロトコルです。
ATMでの送受信されるデータの単位は、「ATMセル」と言われます。ATMでは、データが48バイト、ヘッダが5バイト、合計53バイトで固定されています。一つのセルで送れるデータは、可変長のMACフレームに比べてだいぶ少ないですね。しかし、その分、高速化しやすいというメリットがあります。
通信事業者のバックボーン回線で主に使われる「裏方のプロトコル」でしたが、最近はイーサネットに置き換わりつつあるようです。
はい、本日はここまで!今回は光ファイバー通信の物理層規格SONET/SDH、そしてその上位の相方であるATMについてご紹介しました。通信事業者でもなければあまり知らない技術ではあります。が、そもそもLANの先がどうなっているかモヤモヤするので、それが少しでも解消されたならうれしいです。
これで今回の「1分でわかる!ネットワーク用語」シリーズはおしまいです!
次回からは、いよいよインターネット(IPプロトコル)に突入していきましょう!
では!