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子どもの噛みつきについて②

前回は、子どもの噛みつきは、「関わり始める時から」ということ、動物の歯と比べて鋭利ではなく攻撃性は少ない。「ストレスを感じる」と噛みつきにつながることを話しました。 下の記事をご覧ください。

今回は、園での対策、環境設定、保護者への対応を話します。

◯園での対策

トラブルが起きた際、まずは止めます(当たり前ですが、、、)噛みつかれた子の患部の状態を確認して、流水で冷やします。化膿する場合もあります。

また、心のケアも大切にしています。痛かったこと、驚いたこと、など気持ちを受け止めます。

噛みついた子への対応として、行為は良くないことは伝えなければいけません。しかし、「噛みつきも表現の一つ」と言われることもあり、噛みついた思いもあります。表現を伝える手段だけ変えたり、教えてあげればいいのです。

なので、状況を聞きます。言葉が話せない子には、周りの保育士からも状況を聞いて対応します。

ここで、大切にしたいのは、どちらのことも否定しないことです。



・保育士間の情報共有

トラブルや怪我が起きた時、次に起こりにくくするため、ヒヤリハット報告書を書く場合があります。時間、場所、状況、怪我の箇所、保護者への報告、その後の様子などを記入します。それを元に会議を開くこともあります。



◯環境設定から見直す

次に環境設定です。人的、物的、空間的、時間から、噛みつきが起こりやすい環境を考察します。

 ・人的環境

一定の子が噛まれていることがあるので、誰と起こりやすいかを考えます。相手から仕掛けられて、結果的に噛むこともあるので、噛む子だけの問題でないこともあります。

家庭の過ごし方にも影響します。
前日にお出かけしすぎて、満足に過ごせなかった。睡眠不足などもあります。

保育士の配慮も大切です。
起こりやすい場面での、配置を考えます。時間、空間、友達との関わりなど、起こりやすい場面で、保育士が近くにいるようにします。


また、噛みつきやトラブルが起きないように、子ども同士を関わらせないという方法は、私は好きではありません。あくまでも、人との関わりの中で子どもたちは成長すると思っています。


 ・物的環境

噛みつきはストレス発散とも書きましたが、単に噛み付けるおもちゃが少ない場合もあります。

おもちゃが発達に合っていないこともあります。
簡単すぎてつまらなかったり、難しすぎでできなかったりします。満足感が得られないことが原因のことも。発達にあったおもちゃを準備することを大切にしています。

おもちゃの数にも配慮します。おもちゃが少な過ぎると、取り合いやトラブルが起きやすくなります。逆に多すぎては、子ども同士の関わりが生まれません。

一人一人の発達や集団の状況や成長度に応じて、おもちゃの数を調整しなくてはいけません。


 ・空間的環境

空間が狭い、子ども同士の距離が近過ぎる、遊びのコーナーに人が集中し過ぎるなどが挙げられます。

パーソナルエリアに入ると、噛むこともあります。保育士はいいけど、A君はだめ。この日はいいけど、次の日はダメ。など、日により変わるので、その子の状況を確認しなければいけません。

 ・時間

静かな時間で噛み付くのか、ザワザワしている時間か、食事の前か、お昼寝前か、朝か夕方の自由遊びか、時間も重要な要素です。

◯保護者への対応

これだけ環境設定を考え、ケアをしても、起きてしまうことがあります。

噛みつかれた子へのご家庭の説明も丁寧にします。
止められなかったこと、怪我をさせてしまったことには説明も必要です。

 ・保護者への報告は必要か?

噛みついた子のご家庭にはどうでしょうか?
よく、保護者同士のトラブルを防ぐため、子どもを守るため、園を守るために「報告しない」ということも聞きますが、私は「報告はしたほうがいい」と思います。

保護者側からすると、どちらの場合も知りたいです。
自分の子がもし噛みつきをしてきたら、相手側の親御さんには謝罪をしたいと思います。
逆に、噛みつかれた後、名前もわかっていて、どのようなトラブルがわかっているのに、相手側から何もなければ、少ししこりは残りそうですね。

保護者アンケートを実施した園さんでは、「報告はしてほしい」、「自分の子はやられたら仕方ないが、やってしまったら親御さんに謝りたい」、「お互い様なところがあるから報告はしてほしい」などの意見があったそうです。

お互いに風通しよく、コミュニケーションを取れるように、親御さんへの報告は必要であると思います。しかし事実だけではなく、状況やその子の背景、発達状況なども注意する必要もあります。続く場合はなぜなのかを一緒に考えられるといいですね。



 ・就学後はどうか?

今まで、トラブルを報告されなかった親御さんは、小学校で急にトラブルが増えたと思ってしまうでしょう。元々持っている気質、性格、どのような時に手や口が出やすいのかなど、親御さんも知っていたほうがいいと思います。

 ・保護者の園とのコミュニケーション

これらを実施するにあたり、普段からの保護者とコミュニケーションは大切です。

また、対応も一律ではなく、保護者の方によっても変える必要があると思います。


◯まとめ

今回は、噛みつきの考察を、ニ回に分けて私の考え方を書きました。園さんによっては対応も変わってくると思うので、他の対応方法などありましたら、コメント欄に書いていただきたいです。

ありがとうございました。

では、また。

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