雪化粧桜島の思い出
西鉄カレンダー2024年12月は「雪化粧の桜島」。
撮影は昨年2023年の1月となる。
この時は九州に最強といわれる寒波がやってくるという予報を聞き、3日前から鹿児島垂水市に滞在してロケハンしていたのだ。これはこの西鉄カレンダー撮影の前任である写真家の松尾悠二郎さんのアドバイスで、寒波が来ると高速道路が通行止めになるからあらかじめ3日前くらいから行っておきなさいと言われていたのだ。そしてやはりその通りになり、僕は結局垂水市に5日間滞在いていた。閉じ込められたって感じだったんだけど。
寒波がやってきた初日は吹雪となり、桜島どころか100m先も見えないくらいの状況。果たして真っ白な桜島は撮影できるのだろうかという不安と共に寒波初日を過ごすこととなった。
そして寒波2日目、天気は快晴となり、夜明け前のホテルから見えた桜島は真っ白に雪化粧していた。慌ててホテルを飛び出し、目の前には南国とは思えない雪山がそびえていた。
港と桜島を見渡せる高台まで車をとばし(もちろんスタッドレス)、そこからは雪が朝焼けに染まる桜島を撮影。ここから見えるのは桜島南斜面となる。
しかし噴煙が思った以上に多く南側に積り始めたため、北側へと移動。「道の駅垂水」付近からも数枚撮影。
その後高い場所から撮影できればとロケハンで見つけていた場所へと移動。ここはさらに北へ進み、東へと曲がる細い道へと入る。その途中から桜島が一望できる高台があるのだ。望遠レンズが必要になるけれど、まるで東北のような冬景色が撮れそうだと思ったのだ(見たことないけれど)。高台からは桜島の荒々しい山肌がより一層見えることになり、カレンダーにはその時に撮影した桜島が採用された。とても気に入っている。
撮影後、車は火山灰と雪で信じられないほど汚れていた。この辺りでは火山灰が積もった車は多いだろうけれど、それに加えて雪だったので汚れも半端ない。おまけに洗車場は凍結ということでどこも使用不可。次の日までこの状態で走ることとなり、鹿児島の人たちからからも「一体どこに行ってたんですか」と聞かれることとなった。
この時の寒波は鹿児島市内にも雪が積もったけれど、福岡はほどんど降らなかったという。福岡で雪景色を待っていたら何も撮影できなかったことになる。
ということで昨年冬の5日間に及ぶ寒―い鹿児島滞在。今となってはとてもいい思い出だ。撮影できて気分もルンルンだったし。採用されてとてもうれしく思う。部屋にカレンダーをかけている方々、どうぞ貴重な桜島雪景色を1カ月お楽しみください。
撮影機材 FUJIFILM GFX50sⅡ GF35-70
FUJIFILM X-T4 XF55-200