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雨のちSunrise 長崎大村

 夕方6時頃から空模様は怪しくなり、福岡を出発した8時すぎには雨模様となっていた。ワイパーは一拭きごとに冷たい夜の雨粒をきれいに払いのけている。こんな天気で明日の朝は本当に晴れるのだろうかという心配と共に長崎自動車道を西へと向かった。 天気予報では夜中の3時頃から晴れることになっている。そんな気配は全くないんだけど。

 大村市のHOTELで朝5時に目覚めて外に出てみると、星が輝いていた。天気予報当たるもんだなあ。道路が濡れているのでついさっきまで降り続いていたのだろうか。星空と道路と街灯が輝く夜明け前の大村市。
 ここから撮影地の日岳公園までは車で30分の距離。今回の大村市日岳公園は、前日にGoogleの地図を見ていて日の出が綺麗そうだなあと気付いたのが出発のきっかけだ。コメントでも日の出写真が1枚だけあげられていた。情報はそれくらいで下見も何もしていない。ぶっつけ本番での撮影。日の出の方向に諫早市の街並みと雲仙がそびえているので、風景が開けていれば撮れそうに思えたのだ。 
 6時すぎにHOTELを出発。フロントの女性が、わー早いですねとは言わなかったけど、表情がそう言っているようだった。フロントは六時からだそうで慌てさせたみたいだ。
 濡れた路面が次第に明るみを増し、アクセルを踏むごとに世界が目覚めてゆくようだ。通勤の車が増え始め、信号が青になったときのエンジン音がお互いにおはようの挨拶をしているよう。一応僕も通勤ということになるのだろうかねえ。こんな時にBJトーマスの「雨にぬれても」なんてかかれば最高だなあと思ったけれど、リストから探すことができず、結局カーペンターズの「close to you」を聴きながら向かった。ん?どちらもバート・バカラックの曲だったかな。 
 一度道を間違えて引き返したけれど(こういうことが多いから軽自動車!)、6時半すぎに日岳公園下にある駐車場に到着。思っていたより小さな公園で、車は10台ちょっと停められる。そしてこの駐車場から雲仙が一望だ。雨降りのあとなので雲仙が雲の中かもという心配をしていたけれど、美しいシルエットを東の空の下に映し出している。

 ここから眺める雲仙は懐がとても広くなだらかで、巨人が横たわっているように見える。そして手前に広がる街並みが諫早市。霞は控えめでやさしい雨だったのだろう。紫色の澄んだ大気が穏やかに広がっている。これこそ雨上がりの産物だ。

 駐車場からほんの少し登ったところが公園となるので行ってみると、木々が多くてよく見えない。この公園は駐車場からの風景が一番いいようだ。
 そしてSunrise Time

 眼下には高速道路が走っている。
車の走り抜ける音が、騒音ではなく早朝の街の息づかいのように聞こえてくる。なんだか心地いい。

ロケハンなしで臨んだけれど、なかなかいい撮影ができたと思う。
太陽が高く上がってきたころ、車で一息つく時間がとても好きだ。
もちろん撮影がうまくいった時にかぎるけれど。
           撮影機材 FUJIFILM GFX50sⅡ GF35-70 100-200
                FUJIFILM X-T5 XF16-50 

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