【幸せとは、好きな人と一緒にいる事では!?】世界一周物語 第5話
セブ島でサーフィンの日々
次に向かったのはセブ島にあるビーチ。
少年は世界一周の前に必ずやりたいことリストを作っていた。その一つにあったのが、サーフィンだった。
語学学校を卒業した少年が向かった先は、セブ島にあるビーチ。
セブのメインのビーチ沿いの宿は音楽がガンガンで値段も高い、となって、静かな海沿いの宿で1週間過ごす事になる。
そこに少年が泊まった時は、宿は他に宿泊客もいなくて、スタッフのフィリピン人がすごく優しく接してくれた。
そして、いざ、サーフィンをやる為にビーチへ。
海沿いでサーフィンをしている人を見ながらボーとしていると、日本人と思しき50歳ぐらいのサーファーが。そこで声をかけると、数ヶ月タイに滞在しながらサーフィンをしているとの事。
そしてサーフィンをしたい旨を伝えると、サーフボードいっぱいあるから貸してあげるとの事。
そして、そのサーファーのお宅に行くと、素敵なアパートに暮らしていた。
サックスも置いてあり、キッチンまである。素敵な暮らしだな〜と。
しかし、そのサーファーは楽しいそうには、僕の目には映らなかった。
好きなサーフィンを目一杯していた。
そして、サーフィンに飽きたら、サックス。
近くの市場で好きな物を買って、料理する。
心ゆくまで好きな事していた。
しかし、少年の目には、そのサーファーが楽しいそうな生活には見えなかった。何故だろか?
南の国で、好きな事をして、暮らす。
そのサーファーは、サーフィンをしている時も一人。
買い物へ行く時も一人。
サックスも一人。
『幸せ』は自分のやりいことをやることなのか?
何か、ふっと見せる淋しさみたいなものを少年は感じたのだろう。
少年はサーフィンの波をボートの上でぷかぷかしながら、『人間の幸せ』について考えた。
たまには一人で好きな時間をすることも楽しい時間だと思う。
ただ、それだけではつまらない人生になってしまうのではないだろうか?
究極的な所、人は一人では幸せにはなれないのではないか?
好きな事をするより、
好きな人の時間を共有することの方が
幸せではないだろうか?
自分が住みたい場所に住むより、
好きな人と一緒に住める方が
幸せではないだろうか?
豪華でなくても、好きな人と囲む食事の方が
幸せではないだろうか?
人は誰かと時間を共有してこそ、
幸せな気持ちになれるのではないだろうか?
『最高の人生の見つけ方』をふと思い出した。
少年は、世界一周の旅に出る前、『好きな事をやって、自由に生きること』が幸せになる事だと思っていた。
しかし、『自分にとって大切な人と時間を共有すること』が少年の幸せではないだろうか? ほとんどの人の幸せではないだかろうか!? そんな風に感じた。
少年はやりたい事リストの『サーフィンをやる』を一個達成した。しかし、少年がやりたい事リストを全て達成した所で、”幸せ”は訪れないのでないか?そんな風に思った。
やりたい事をやることと、幸せになる事は、イコールだと思っていた。しかし、少年はそうではないのではないか?とふと思った。
そして、少年はある映画を思い出した。
『最高な人生の見つけ方』という映画だ。
あらすじはこんな感じだ。
しかし、彼らにとって、 バゲットリストをやり終えても、結局最後は、自分達の愛する家族に会いたいと思うのであった。
人間は、何をするかより、誰と過ごすのか?
そんな風に少年は思った。
次章に続く。
次なる目的は香港。念願の重慶大廈(チョンキンマンション)へ。