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グランタブローで【笑うマトリョーシカ】を読む
36枚のカードを並べるルノルマンカードのグランタブローで、テレビドラマ【笑うマトリョーシカ】をテーマにリーディングを行った動画を作りました。タイトル画像がグランタブローを開いた結果です。動画とナレーション原稿を掲載します。
【動画再生時間 11分31秒】
ナレーションテキスト
こんにちは ルノルマンカードを読むひと、織瑛です。
本日は 現在放送中のテレビドラマ「笑うマトリョーシカ」をテーマに、36枚のカードを並べるグランタブローで読んでいこうと思います。
私がグランタブローが好きなのは何といってもカードに現れるシンクロニシティです。そして、どのようなカードが選ばれて、どのような伝え方をするのかに、わくわくします。
このカードは2024年8月5日に切りました。第六話を観終わった後です。
物語は櫻井翔演じる政治家・清家一郎が、官房長官に就任した直後、長年の友人であり政務秘書官である鈴木俊哉(玉山鉄二)を秘書官の職務から解いたところ。
本当の清家一郎の姿は、まだまだ見えない状況です。
淑女のカードが記者の道上、もう一枚の人物カードを清家一郎とします。
こちらの浮世絵スタイル・ルノルマンカードは淑女と紳士のカードの他に、ユニセックスな雰囲気の人物カードが1枚作られています。
この顔の見えない、性別も曖昧な雰囲気の人物の絵が、清家一郎にぴったりだと思いました。
グランタブローの結果を図にしたものがタイトル画像です。
黄色のカードに注目して読んでいきます。
道上をとりまくカード
淑女のカードが道上、紳士のカードが清家です。
道上の視線は、清家を見ていません。道上が見ているのは雲のカード。謎を見ています。
道上が追いかけているものは、清家の本当の姿。それは雲の中にあり、まだ見えない謎なんですね。
雲の上には鍵のカードがあります。雲=謎を解くことがキイであるという、ドラマのストーリーの骨格を示しているかのようです。
淑女のカードの下は鳥のカード。その左に道、右には手紙のカードです。
鳥はインタビューや聞き込みをすること、道は現場を歩く、その結果を、手紙=記事やレポートにする、という記者としての道上の仕事ぶりが現れているようなカードです。道の上、という名前がそのまま表れてもいますね。
淑女のカードの上には庭のカード。道上は家の中にいる人ではないです。
家の外にいる人と接触があるような場所にいる人です。
庭のカードの右には家のカード。家は道上の不審な事故死をした父親のことを現わしているのかもしれません。
家のカードの右に清家がいます。道上にとっての家は父親、清家にとっての家のカードも政治家の父親なのでしょうか。
家のカードは道上の父、清家の父、二重の意味を帯びていると見ました。
そして家のカードが、道上と清家のリンクのカードとなっています。
道上の右にあるカードは錨。仕事・義務のカードですね。家の下に錨のカードがあり、家=父親への義務のようなことを道上は果たそうとしている。錨の下に手紙のカードが位置しているので、ペンで戦う仕事をしていく。
清家に現れた百合のカード
ユニセックスな人物像の紳士のカードが清家です。
清家をとりまくカードたちは、息をのむような現れ方をしていました。
まず一番ぞっとしたのが、清家の下に出た鎌のカードですね。
この浮世絵スタイル・ルノルマンカードの鎌のカードの絵柄は死神です。鎌を持った死神の右下には、犬のカード。犬は友人を現わすので、鈴木です。死神の視線はまさに右下の犬をまっすぐ見ています。
政務官秘書としての鈴木のクビを切った清家の行動がそのまま表れていたので、びっくりしました。
犬の上にはコウノトリ。鈴木の旅立ちのカードですね。犬は後ろを振り返って太陽のカードを見ています。
太陽は社会的成功、政治の世界の成功とみて、鈴木が政治の世界との別れを名残惜しんで振り返っているかのようです。
次に、清家の上にあるカード。
私はこの位置にどんなカードが出てくるのかが凄く楽しみで。
…百合のカードでした。
ここで百合を選んできたのか、と感動しました。
百合はブランドを意味し、社会的な血統の高級さを持つ人物とも見れますが、さらに考えてみます。
百合は、希少な花のイメージです。夏の山に群生する野生の百合もありますが、その場合も、山まで出向いていかないと会えません。
たとえばクローバーは、日常生活の中で、道を歩いていると出会える、距離の近い庶民的な花ですけれど。
百合は道を歩いていても気軽に出会える花ではないですよね。
めったに出会えない花、高級感のある花ではないでしょうか。
百合のカードはセクシャルな意味も持ちますが、ひとりひとりの人間にとって、性は貴重なものだからです。
「笑うマトリョーシカ」のドラマでは、鈴木も、清家の学生時代の彼女も、母親の浩子も、清家をめったに出会えない希少な魅力のある人物として、所有しようとするような相関図が浮かびます。
関わった人間が所有したいと望むような魅力のある人物を現わすカードに選ばれてきたのが百合のカードでした。
百合のカードには、聖女と娼婦のような、相反する二面性を持つという見方もあります。清家には二面性があるということも百合のカードは示唆しているのかもしれません。
百合のカードの左はハートのカードです。これも凄いと思いました。
清家のもつ百合(希少な魅力)に引き寄せられてくる人々の愛情や欲望が、ハートのカードに現わされたのではないでしょうか?
それと「道上」が道のカードを引き寄せているように、「清家」という名前が家のカードをそばに引き寄せているのかも。
そして、清家の右には花束のカード。人から賞賛されるような華やかな世界に清家は向かっていきます。
その上、清家の右上の位置に魚のカードが出ています。
このルノルマンカードの魚は、一匹だけです。一匹の魚が水中を泳ぐ絵。魚のカードの意味には、お金、自由、がありますが、自由ととります。魚が一匹だけで自由に泳いでいる。
清家はさまざまな人から所有を欲望され、操られているように見えて、実は自分自身の自由を望み、やがてそれを獲得するのではないでしょうか。
熊は母親
熊のカードに着目します。熊は実力者、厳しい両親や上司を現わします。
「笑うマトリョーシカ」で印象の強い母といえば、清家の母、浩子ですね。この熊は浩子と見ます。
このカードの並びで凄いと思ったのは、熊の下の蛇ですね。
この蛇の絵柄は迫力がありますし、憎しみを忘れないような、ぬめりのある賢さをもった人物が浩子という感じですね。
熊の右にはネズミがあって、浩子は無傷で生きてきた人間ではない、荒んだようすもうかがえます。
キツネは誰?
キツネのカードが気になりました。
キツネの左に月のカード、右に星のカード、上に道のカード。
このキツネは、暗闇の中を歩いているように見えます。
キツネも蛇のように、賢さを持ちますが、キツネには化けるというイメージが加わります。目にみえる形で、人を欺くようなことができるのがキツネの賢さかもしれません。
このキツネは、何層ものマトリョーシカの中にある、最後のマトリョーシカを現わしているのではないか?と思います。
清家の対極に現れたもの
清家のカードは、グランタブローの全体の右上のエリアにありました。
グランタブローの中で最も未来で、先んじている位置にあり、他のカードたちが清家を追いかけていく図のような現れ方です。
その対極の位置、最も過去に近い位置に出ているのは「子ども」です。
この子どもカードは上に「樹」右に「クローバー」という健やかさですね。でも足の下には何もない不安定な状態で、棺のカードもあり、隠されていたような存在の子どもとも考えられる。
清家の出発点の姿がこの子どもの姿なのかもしれません。左下から右上に、清家の歩んでいく斜めのラインの道筋がグランタブローの上に描かれているかのようです。
以上「笑うマトリョーシカ」をテーマにグランタブローを読んでみました
百合のカード、鎌のカード、蛇のカード、雲のカード....一枚一枚のカードが鮮烈な伝え方をしてきたグランタブローだなあと思います。
ご視聴ありがとうございました。
*2024年9月2日追記
「第10話」(2024/8/30)を観た後です。
「熊の右のネズミ」は、浩子が病気を抱えていることを示していたのではと思いました。
「キツネ」は、ヘルパーの田所礼子を表していたのかも。
*2024年9月8日追記
最終回を観た後です。清家のカードの上に出た百合は、プライドの高さも意味していたかもしれません。