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大谷について:10年に一人の打者、1年に一人の投手 そして新たなる二刀流
お雑煮の出汁はもちろんカシミール 動画は友人がシカゴで目撃した今季2号 大谷が高校卒業時、僕の友人の知り合いのサンスポ記者から「花巻東の大谷君は打者としては10年に一人の逸材、投手としては1年に一人の逸材」と聞きました。それは打者としては、王、落合、イチロー以来の素材、投手としては同じ年のドラフトで言うと阪神藤波、巨人菅野、楽天則本並ということでしょうか。彼らより若干上ということかな。 さすがスポーツ紙の専門記者、その評価は正しかったと思います。打者としてはその通り、投手としても、怪我があったというものの結果としての数字を見るとそういうレベルです。 ただ、その両方を兼ね備えた選手となると、半世紀に一人いるかいないか?となります。甲子園で活躍した王貞治、川上哲治、松坂大輔や桑田真澄も結局どちらかに絞って成功しています。イチローも高校時代は投手でした。 高校卒業時にそのままドジャースに、という可能性もあったらしいですが、結果として日本ハムでしっかり体力や考え方を鍛えたのは良かったですね。 今年のMLB最大の注目のルーキー、パイレーツのスキーンズは大学時代まで二刀流で活躍し、打者としても可能性があると言われ、本人も当初は大谷のような二刀流をほのめかしていました。しかしっプロ入りしてからは、投げている方が楽しいと投手に専任することになりました。デビュー時から162キロのストレートを投げ、2試合目の登板で100球6回無安打11奪三振、4試合目の登板となる先日が95球6回9奪三振で2勝目。大きな特徴は198cm106kgの体格で実に軽く162キロを投げ続けることで、あの投げ方なら中五日でローテを守り続けることでしょう。打者として日々出場しても凡庸な野手どまり、それなら投手として数年に一人の天才としての存在する道を選んだのでしょう。 さて、大谷。僕はそう遠くない未来に、打者に専任するのではないかと思っています。それこそベーブ・ルースと同じですね。 ドミニカのジャーナリスト・ヘクター・ゴメス氏が自身のX(旧ツイッター)に両者の比較を掲載。MLB757試合出場時点での本塁打は、ルースが184本に対して大谷が185本、MLB481回2/3投球時点での勝敗はルースが37勝19敗に対して大谷が38勝19敗とほぼ同じ数字となっているそうです。ちなみにルースは37勝を挙げた後4年ほどでほぼ打者に専念していますね。 弟分の山本がウィル・スミスではなくバーンズ相手でバッテリーを組む試合では、指名打者にスミスを使い、大谷は外野を守る。そこに、カーショー復帰、バーランダー移籍加入、来年以降は佐々木朗希や宮城がドジャース入りしたら、投手大谷の必要性は減り、打者大谷をフル稼働させるため、大谷のDH&外野手専任の可能性が高まります。4年後には完全にそうなっているかも、と予想します。 そうなると、二刀流の終焉となるかもしれませんが、僕は別の二刀流に期待しています。 大谷がエンゼルス入りした2018年の2月、当時のUSのスポーツジャーナリストたちは日本から来たこの青年のことをそれほど注目しておらず、キャンプ地のアリゾナ地区で行われているPGAツアーに参加する日本か韓国のゴルファーの一人だと思ったらしいです。「ヒデキ・マツヤマ」の後輩だと勘違いしたのですね。というのも、MLB入りする日本人で大谷ほど大きな選手はダルビッシュ以外にいませんでしたし、PGAの方は高身長で細マッチョが流行っていましたから。 僕はその直感は正しいと思いました。 世界的にもトップクラスのスイングアークの長さ、そこから繰り出されるヘッドスピードの速さも世界トップクラス、もともとアッパースイングは得意だし、スイングの再現性も高い。そして、おそらく小技もうまいし、パッティングの時の集中力も高い。さらにはどんな状況になっても落ち着て対応できる性格。大谷は、松山英樹以上のプロゴルファーになれる素質があり、本気でやれば間違いなく世界ランキングのトップクラスになるのでは?と思っています。 そして、MLBでワールドシリーズに出て、40歳過ぎてかもしれませんが、ゴルフでマスターズに出場ということもあるかもしれません。そうなると、サミー・バード以来、史上二人目の二刀流となりますね https://en.wikipedia.org/wiki/Sammy_Byrd
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ネタニヤフは動じない
お雑煮の出汁はもちろんカシミール 動画は、世界の人質救出作戦中、最も成功したと言われる「エンテベの奇跡」を中立に映画化した『エンテベ空港の七日間』。キノフィルムさんが配給してくれました。感謝感謝 さて、昨年12月初めに始まった「ガザ侵攻」。痛ましい出来事であり、アメリカがここまで警告しても一向に収まる気配がありません。ネタニヤフ首相はなぜそこまでこだわるのか? 僕は、ネタニヤフ首相はそう簡単に和平交渉に臨まないのではないかと思っています。政治的打算以上の決意を感じてしまっています。 「彼は私にとって北極星のような存在でした。道に迷いそうになると、いつも彼が空で輝いていており、それを目指した歩めばよかったのです」 ネタニヤフがそう言う相手こそが、ヨナタン・ネタニヤフ。イスラエル軍のエリートで、「エンテベ空港人質奪還作戦」のリーダーです。 「エンテベ空港人質奪還作戦」とは、イスラエル/テルアビブからパリ/ドゴール空港行きのエールフランス便がパレスチナ解放人民戦線と西ドイツのテロリスト4名にハイジャックされ、ウガンダのエンテベ空港に強行着陸し人質を救出した事件です。 乗客・乗員計260名の内、イスラエル国民106名が人質としてエンテベ空港に残され、他のフランス人などは解放されます。 犯人の要求は服役中のテロリスト40数名の釈放。それが敵わないなら人質を殺害すると。イスラエル政府はウガンダ/アミン大統領に交渉するなどしますが進展しません。そこに、軍のエリートから人質救出作戦が提案されます。 日本が誇る「忠臣蔵」のミッションは「47名のチームで要塞化している敵地に乗り込み、見たこともない一人の老人の首を狩ること。できれば全員無事で帰還すること」でした。1年9か月かけて作戦は実行され大成功します。誰も吉良上野介の顔を見たこともないのに、すごいですよね。 今回の「エンテベ空港人質奪還作戦」は「1週間以内に、100名ほどの兵士で、反イスラエルのウガンダのエンテベ空港に乗り込み、空港ビルにいるイスラエル人の人質106名を救出しイスラエルに連れ帰る」というミッションです。 詳細は省きますが、結果としては人質102名救出、ウガンダ兵40名前後とテロリスト全員を殺害。味方の犠牲者は隊長のヨナタン・ネタニヤフ1名のみという大成功でした。 イスラエル軍がエンテベ空港に極秘着陸し、人質を救出して再び空港を離陸するまで1時間弱。アミン大統領の専用車そっくりのベンツを持ち込んだり、あっと驚く作戦でした。 イスラエル国内は歓喜に包まれます。テロリストの屈することなく、かなり難易度の高い救出作戦を人質106名中4名の犠牲と、自国の軍人1名の殉職で成し遂げ、国家の威信を守ったのですから。 その時アメリカにいたベンヤミン・ネタニヤフも喜びつつも、敬愛する兄を失ったことに激しい憤りも感じていたでしょう。 ベンヤミンは高卒後7年ほど軍務につき、それを終えてMITで大学、大学院と進み、さらにハーバードでも学んだ後、ボストン・コンサルタント・グループに就職します。兄を失くしたのはMITの頃だと思われます。かなりのエリートですね。 その後、政治の世界に転身し、国連大使や外務次官を務め1996年に史上最年少でイスラエル国首相に、現在では史上最長期間の政権となっています。 長期政権のため批判も多く、人気も陰っているらしいです。それを盛り返すために、強硬な姿勢を貫いて政権維持を図っていると言われますが、僕には「北極星」であった兄ならどうしているか?と自問自答しながら、決してぶれずにテロリストの完全排除を目指しているような気がします。 浦沢さん、長崎さんの『PLUTO』は、アメリカとイスラムの最終決戦を描く物語でした、そこで最後の最後まで語られたのが「復讐からは何も生まれないのだよ」でした。スピルバーグの隠れた超名作『ミュンヘン』も、ミュンヘン五輪テロに対して復讐を遂げていくものの、そこに関わった人たいのその後も続く悲劇を描くものでした。 イスラエル建国後から続く対立も、同じです。 復讐からは何も生まれない。