多摩川
晴れた青空の元、釣りをする親子。
子どもたちが紙コップの中に捕まえた小さなエビをキャッキャと見せ合う。
中年の夫婦が川辺でくつろぎ笑い合う。
人々の笑い声に賛同する様に鳴く鳥達。
理想の休日。
そんなタイトルが似合う土曜日。
in 多摩川。
到着した時は多摩川の見せる光景が幻かと思うくらい素晴らしい所だと思ったのだ。
しかしここは関東。日本の首都、東京。
ご覧ください。
これぞ関東の川!!
田舎者の私をドン引きさせる色合い!
緑色の川に沈むチャリんこ!
まるで海底に沈むタイタニック号のように
其処に在る自転車。
うん。汚い。
川辺で石をひっくり返せばSF映画にでてくる様な生物がうねうねしている。
なんだ此処は。地球なのか。
さっきの釣りをしている親子の腸内環境が気になって仕方がない。
子どもたちが見せあっていた小さなエビもそうだ。
あのエビは実はエビではない。
宇宙世界から産み落とされたエビのような
なにかではないのか。
やめろエビ魔人。人間に手を出すな。
そして多摩川が危ないところではないかと思う決定的な光景を友人が発見する。
茶色く割れた硬いそれは、そう。
胡桃の殻。
一人の人間が一生の間で食べるであろう胡桃の5倍分くらいの量の胡桃の抜け殻が川辺のブロック隙間に捨てられている。
完全に胡桃ジャンキーの仕業だ。
そいつは(複数かもしれない)
ここ多摩川で胡桃を貪り、そして無情にもそれを遺棄し逃亡している。
ここ多摩川は胡桃の殻遺棄事件の現場なのだ!!!!!!!!!! 。
胡桃をある一定量食べ過ぎた人間は脳に異常をきたし狂い始めるという話を聞いたことがある。
ちらほら見られる焚き火の跡が
常習犯である事を示している。
此処は・・・・本当に多摩川なのか。
焚火跡で遊び手首まで真っ黒にした子供達が
お互いの姿を見て笑い合う。
恐ろしい光景だ。
親がそれをみて未知の生物がうねうねしている川で手を洗うよう指示している。
ここにきている全員が既に侵食されているのではないか。
そう思った時、頭部に微かな痒みを覚える。
私の体にも予兆がきたのかもしれない。
何故だろう。胡桃が食べたい。
胡桃が、、、、
くる、、、み、
くるみ、、うまい。
かゆい、ボリボリ
くるみ、、バリバリ
く、、バリバリかゆ、、ボリボリうま。
かゆ。うま。
はっ!!! 一度放棄した思考をとりもどす。
私、2日間お風呂入ってないや。
つづく。
(明日も仕事がんばろーっと)