342: The Jam / Beat Surrender

「ムーヴ・オン・アップ」は多くのアーティストにカヴァーされていますが、大学生の頃よく聴いていたのが、ザ・ジャムのヴァージョンでした。
彼らがデビューした当時は、パンク・ロック・ムーヴメント真っ盛りでしたが、本来はモッズに分類されるべきグループ(特にポール・ウェラーのファッションにも顕著)で、後期になるとR&B色が強まったのも、ある意味必然だったのかも知れません。
彼らによる「ムーヴ・オン・アップ」のカヴァーは、1982年にリリースされグループのラストシングルとなったこの曲のB面に収録されていました。
解散宣言とほぼ同時期にリリースされたこの曲は、初登場1位を獲得し、人気絶頂のまま、グループの歴史に幕を下ろすこととなります。
ピアノ、オルガン、女性コーラス、そしてホーン・セクションに彩られた華やかなサウンドは、デビュー当時、無骨にリッケンバッカーをかき鳴らしていた頃からは想像もできませんが、ポール・ウェラーの中では、きっと1本の線でつながっていたのでしょう。
そして、その線は、そのままスタイル・カウンシルへとつながっていくことになります。

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