205: The Trade Winds / New York's A Lonely Town

アルバム『リンゴ』からは、USナンバー1シングルが2曲続いた後、「オー・マイ・マイ」がシングルカットされ、US5位のヒットとなっています(UKではリリースなし)。
この「オー・マイ・マイ」はヴィニ・ポンシアとリンゴの共作なのですが、ヴィニ・ポンシアと言えば、絶対に取り上げたいのが、トレイド・ウインズ名義でリリースしたこの曲です。
彼は、ピート・アンダースとソングライター・コンビを結成し、フィル・スペクター門下で発表していましたが、1965年に書いたこの自信作を、スペクターがリリースを拒否したことがきっかけとなり、スペクター門下を離れます。
そして、自ら録音してリリースしたこの曲が、US32位のヒットとなります。
幾重にも重ねられたコーラスと分厚いエコーの掛かったサウンドは、どこから聴いても「ウォール・オブ・サウンド」。当時のスペクターの影響力が強烈であったことをうかがわせます。
この曲を含むアルバム『Excursions』は、ドリーミーなポップスが詰まった作品で、個人的にはもっともよく聴くソフトロックの作品です。
ちなみに、アンダース&ポンシアは、1967年にはイノセンス名義でアルバム『イノセンス』をリリースしており、こちらもソフトロックファン必聴の作品となっています。

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