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【生産性のモノサシ】 目標設定理論

参考論文と書籍

  • Building a Practically Useful Theory of Goal Setting and Task Motivation Edwin A. Locke、Gary P. Latham、2002

  • 「OJT完全マニュアル」 松尾睦(まつおまこと)、2015

目標設定は創造的行為だ

 「目標設定は何よりもまず矛盾創造プロセスだ」(Bandura、1989)。目標設定とは、「今のままでいい」と思っていた状況に対して、目標を立てることで「今のままではいけない」という状況を人間が敢えて創造することだからだ。人々は目標実行に注力しがちだが、目標設定を軽視すべきではない。

目標を立てれば行動が変わる

 1950年頃まで、心理学は、「人の行動は潜在意識、生理的欲求、外的刺激に支配されている」と信じられていた。しかしその後「目標を立てれば行動が変わる」ことが実証され続けている。目標設定は人の主体性と深く関わっている。

具体的で困難な目標を立てる

 「自分には無理」という気分にならない限り、目標は具体的でかつ高いほど成果が出る。迷うようであれば、現有能力の1.2〜1.3倍くらいのストレッチを目安にする。

やりがいのある目標を立てる

 「自分が決めたか、上司から割り当てられたか」は関係ない。本人が目標の重要性を納得してさえいれば、大きな努力を継続できる。上司と部下の対話も、この納得性を高めることが重要になる。

私にはできる

 このような信念を自己効力感(self-efficacy)と言う。適切なトレーニングや、「君にしか頼めない」という上司のメッセージで自己効力感は高まる。

学習目標も取り入れる

 「欠陥率を3%以下にする」のは成果目標、そのために「品質管理の基礎を習得する」のは学習目標。成果指向(成果目標の達成だけを気にする傾向)が強すぎると、逆に達成が容易な目標を立てがちで、その結果、小さな成果しか出せないという皮肉な結果になる。

大きな目標を立てておいて分解する

 小さなステップに区切る、学習目標を織り込む、など。どう取り組めば良いか判らないときでさえ「問題解決技法を学ぶ」という学習目標を立てることで第一歩が踏み出せる。

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