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(1)『チェンソーマン』(第1~5話)【おすすめアニメ感想】



アニメ作品『チェンソーマン』(第1~5話まで)の感想について記したいと思います。おすすめです。

チェンソーマン

(2022) 原作:藤本タツキ、制作:MAPPA、監督:中山竜、デンジ:戸谷菊之介、ポチタ:井澤詩織、マキマ:楠木ともり、早川アキ:坂田将吾、パワー:ファイルーズあい

とにかく、めちゃくちゃ面白い
わたしは全巻原作を先に読んでいたので、残念ながらストーリーは先に知ってしまっているのだが(原作未読の視聴者がうらやましい)、それでも面白い。やはり、原作が面白いからこそかもです
オープニングがまず楽しい。曲も動画もとても素晴らしいです。最初は知らなかったが、オープニングのところどころの場面は既存の映画のオマージュらしいです。それはいかにも本作に相応しいではないですか。

最も尊いものとしての原点
本作はかなり残酷描写が多く、シニカルで、ややアダルティな雰囲気で、B級ホラー映画のような下品さとスプラッター要素が満載の作品です。しかし、デンジとポチタの契約が物語の起点であり、そこにこの作品における最も尊いものとしての原点があるのだと思うのです。
そのとき、血を流して死にそうなポチタに自らの血をあたえて救い出すデンジ。その一歩は、「おれも助けろ」と口にはするもの、単に利益を得ようとしてのビジネスのような行動にはみえない。殺伐として、残虐な物語の最初の原点は美しい「悪魔との契約」の場面だと思いました。
デンジが最初に反社に殺されたとき、その血を受けたポチタはデンジの心臓となるかわりに、「デンジの夢をみさせてくれ」と告げる。再契約がチェンソーマンの誕生となる。そしてチェンソーの始動のためのスターター(もとはポチタの尻尾)が心臓の位置する胸から垂れ下がっている設定はとても秀逸ではないですか。

悪魔のいる世界
この作品の「悪魔」とは、額面通りの人類の敵ですとか、「侵略者」のようにはみえない。わたしたち実世界におけるヒグマのように、自然界に存在する野生生物かまたは自然災害に近い存在のようにみえました(野生動物よりもかなり凶悪ではあるが)。実際、作中では「駆除」とゆう言葉で示されるように。ゾンビの悪魔やコウモリの悪魔のように、のっけから醜悪なものもあるのだけれど、一方、ポチタのように(一見は)可愛らしいもの、デビルハンターと契約する人側のもの(しかし、あくまで契約を結んで対価を与えるのだが)、いろいろグラデーションがあるのが面白い。
なお、冒頭のトマトのくだりは映画「アタック・オブ・ザ・キラートマト」をもじったもの(オマージュかな?)と聞きます(オープニングにも、その一場面があるとのこと)。

ポチタの謎
この作品には当面3つの謎がある(探偵口調っぽい)。ポチタ、マキマさん、そして、デンジの夢の中に出てくるドアです。
本作3話において、マキマさんは「悪魔はなんらかの名前を以て生まれる。名前が恐れられているものほど、強い悪魔となる」と語っていますね。ポチタは可愛いのですが、「チェンソーの悪魔」であるとすると、マキマさんの言葉を借りるならば、ポチタ、それを宿すデンジは本来強大で凶悪な存在であることをストーリーに忍ばせている。マキマさんがデンジ(を通してチェンソーマン)に興味を示す(ように見える)ことには、納得できるかと思います。
なお、チェンソーはB級ホラー映画の小道具のようなイメージを感じさせますが、調べてみるとそれほど多くない。有名なのは「死霊のはらわた」らしい(わたしは視ていないのだが)。わたしは「モーテル」(邦題で「地獄のモーテル」)を連想しました。やはりB級のホラー映画(といっても悪魔や怪物がでるわけではなく、人間しかでてこないのだが)、ラストシーンで主人公と敵役(頭に豚の頭部をかぶっており、見た目が悪魔っぽい)が、両者ともにチェンソーを手にしてバトルするシーンなど(なんとなくチェンソーマンのイメージに重なるとゆうか)。

各話コメント
第1話だいたい上記で語ったので、省略。

第2話 イケメン武士であるアキの登場の回、そして、デンジvsアキの回で禁断の局部攻撃の回でした。終盤パワーの登場に沸く。ここで主要メンバー4名が出そろう。そして、パワーによるナマコの悪魔粉砕のシーンは予告やPVで登場していたもの。

第3話 まず冒頭の嘘つきパワー(3歳児か)が面白い。そして、自動販売機の前の二人のやりとりが良い。「胸をもむとか言ってる場合じゃねえぞ」って、今更それに気づくかと、素になるデンジのつぶやき。パワーの策略にはまるデンジの口調「悪魔がよぉ! 許せねえよな!」の切りかえしが、もう最高でした。ここで、デンジの「犬的、犬派」要素とパワーの「猫的、猫派」要素の対比が解りやすくて面白い。
この回では原作よりも少しエモーショナルな作りになっていて、パワーが可愛らしく描かれているようにみえました。デンジのポチタとの邂逅が、パワーとニャーコとの関係に重なるように描かれることによって、パワーの裏切りが多少は許せるものになるよう、調整されているように感じました。

第4話 パワーの回でした。パワーの過去の断片(パワーの原点が示される)が明らかに。病院でアキとデンジとの間の取り決め(アキがややデンジを認め始めるのが良い)。そして、ラスト、パワーのあのシーン(の直前)。トイレのなかのパワーの画力のクオリティに制作側の気持ちが伝わってくる場面でした。

第5話 マキマさんの回でした。パワーとのあのシーンの後、→「アレ? こんなもの?」のデンジ。その後のマキマさんのシーンは圧巻でした。


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