見出し画像

Silver Stone

F-1好きになったのは1981年に自分のクルマを手に入れてからで、ある意味聖地に行けたのは2008年だっから、相当な年月を経ていた。

そのチャンスが来たのは仕事絡みだった。
その数年前から自分ひとりで輸入のビジネスを始めていたのだが、独立する前に勤めていた会社から依頼されて、新たにイギリスの会社の製品を輸入して販売することに。

その会社はロンドンから北西方向にクルマで2時間ほどの距離で、代理店契約して製品トレーニングに行くのは7月初め。

ん?
もしかして、それってイギリスのグランプリウィークじゃないのかい!

まだ今と違ってwebミーティングなんかはなかった時代なので、メールや電話で先方の会社の社長と私の訪問について打ち合わせした後に聞いてみた。

「オタクの会社からSilver Stoneまでどれくらいの距離っすか?」
そしたら、「ん?行きたいの?」だって。

それからは、その社長が奮闘してくれて、グランプリチケットを予選の金曜日から決勝の日曜日まで確保してくれて、しかも、しかも、な、何と、Silver Stoneからクルマで1時間弱のBlackly村にあるアパートを、グランプリ期間だけ借りられることになった。

イギリスには、週末とか自分の部屋に居ない期間に人に部屋を貸すシステムがあって、まぁ、日本人にとっては不思議な習慣なんだが、とにかくSilver Stoneやらその周辺には宿泊施設なんかはないから、1時間くらい走るのは何ともない。

しかもだ!
部屋を貸してくれる人物は、な、何と、当時Hondaがエンジン供給していたBARチームのエンジニアで、しかも女性。
Blackly村にはBARチームのファクトリーがあって、そこから徒歩数分のアパートだった。

以前はオランダにある会社で働いていたから、オランダまでは何度も行っていたが、初めてヒースローに降り立ち、仕事先の会社の社長に迎えに来てもらってからその会社の近くのレンタカー屋でトヨタプリウスを借りて、まぁ、仕事はちょこっとで、週末はどっぷりSilver Stoneという1週間がスタートした。

後半へ続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?