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無形商材業界のまなざし
無形商材(人材系)を取り扱うBtoB企業の会社員である私にとって、仕事の大半は「ヒトと関わる」こと。
クライアント、エンドユーザー、チームメンバー、上司、、、関わるヒトの数だけの想いや仕草に触れて、自分の視点を四足算式で織り込み、サービスを産み出す。
有形商材業界はわかりやすいと思う。
プロダクトに至る過程で、脱酸素など様々な定量指標をクリアしていく。それが企業の使命となり、未来への貢献度や企業価値の向上を示すことができる。
対して、無形商材業界が未来に向けるまなざしは、どこにベクトルを向ければいいのだろう。
実に強引であることを理解しつつ、世界、あるいは地球は、「流れ」と「循環」に依拠していると私は考える。
山より滲み出る水は川と成って流れ出す。
やがて海へ辿り着き、蒸発して雲に昇る。
雲は雨と成り、また山へ降り注ぐ。
時に川の流れが澱めば、水は汚れる(そこから新たな生命世界が開始することへの異論ではない)。
汚れた水が循環することで、少しずつ少しずつ、世界を壊していく。
我々は途方もない年月をかけてこうした汚れを蓄積させ、近代、取り分け100〜200年の短期間で、悪循環を一気に加速させた。
そして我々はいま、ここにいる。
世界の流れと循環を少しずつ乱し、少しずつ観て見ぬふりをして、愛する子どもたち孫たちに、返済を強要している。
私の仕事は、「ヒトと関わる」ことである。
最高の提案をして、受け入れられたり拒絶されたりする。
たった一言や一瞬の態度が、チームのモチベーションを上げたり下げたりする。
メンバーの成功を自分のことのように喜んだり、時に妬んだりもする。
努力で積み上げた成果を、評価されたり見逃されたりする。
世界の大きな「流れ」と「循環」の中にあって、我々のうちのほとんどが、小さな小さな、それでも出来うる限りのよい変化を望みながら、仕事に取り組んでいる、と思う。
いつかは、積んだ徳やら重ねた業やらが定義され、ヒトや企業の価値が、プラスマイナスの得点となって、評価できるような時代が訪れるのだろうか。
そんな日の到来が来るのか、果たして喜ばしいことなのかもわからない。
それでもヒトとの関わりを通じて、いい「流れ」や「循環」を作り出していこうとすること。それが使命であり価値であると信じること。
無形商材業界と、そこに関わる人間たちが未来に向けるまなざしは、こうしたわかりづらさを含まざるを得ない。