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音楽をすき、ってなんだろう-続く生活

「ねぇ、どんな音楽が好きなの?」と聞かれて、即答できる人もいれば、そうでない人もいると思う。

私は後者だ。

「あたしは○○ってバンドがとにかく好きで、、」
「よく聞くのはR&Bかなぁ」
「普段からあんまり聞かないんだよね」

こんな感じで音楽への嗜好性をすぐさま答えられる人がいる中、私の場合は、会話の流れや相手によって返答がよくブレる。

音楽は好きだ、少なくとも好きだと思っている。
歌うことを通じて発散するししたくなるし、合う音楽に触れると身震いがするし、楽器は下手くそながら触っているだけで楽しい。

しかし好きな音楽となると、ジャンルはばらばらだし、幅広いわけでも、特定のジャンルや曲を深く聞き込むわけでもない。中途半端な聞き方。
とても、「好きな音楽」を端的に表現できるわけもない。

もちろん、表現できないといけないわけはない。
それこそ自由、人それぞれ、それでいい。もう充分。


けれども、自分の好きなものって、いったいどんなものなのか、理解したくなってしまった。

ひとつ、「その曲ひとつでひたすらリピートした経験」を、判断材料にするのはどうだろう。

好きな歌手とか演奏家のアルバムがあったとして、一枚まるっと通しで聴く魅力ももちろんだけど、気に入った曲はそれだけで繰り返し聞くことが私は多い。ハマり曲?というのだろうか。

これだこれだ。
よーし、ハマり曲で10曲、ピックしてみよう。


これが、信じられないくらいあっという間に決まった。
最初に選んだ曲たち、これが暗い暗い。聞いてると死にたくなってくる。そうそう、この感じ。懐かしい。消え去りたいなぁと思いながらいつも生活してたあの時の気持ち。

いや待てよ、暗い曲だけ聞いて生きてきたわけじゃないな。今度はアップテンポなやつでまた10曲選んでみよう。

これも、あっという間に決まった。イントロが流れるだけで気持ちが高揚してきて、頭やら身体やらを動かしたくなる、なんなら動いてる。
そうなんだよ、こんなすごい音楽があるのか!って大興奮して、部屋で暴れて脚をバタバタしてたあの時。

音楽が心身にどんな作用を及ぼすのかなんて詳しくはないけども、なんとなく、暗いプレイリストを流すと悲しい気持ちになって、明るいプレイリストを流すと興奮することがわかった。

書きながら自分で、何を当たり前のことを言うてんねんとも思うのだけど、ようやく言語化された感じ。

曲のリストを眺めていてわかったのだけど、暗い曲たちは10代半ばから20代の前半、明るい曲たちは10代前半に覚えたものがほとんどだった。そしてそのどちらもを、30過ぎまでずっとお供にして聞き続けていた。

逆に、そのほとんどは30代半ば以降、特に最近はほぼ聞いていない。

これも詳しいわけではないけど、暗い曲たちを聴くとたぶんノルアドレナリンが、明るい曲たちを聴くとドーパミンが、それぞれ出るのだろうなと。


そう考えると、10代前半からつい最近までずっと、悲しい気持ちに対する共感の曲たちと、興奮して麻痺させる発起の曲たちを交互に聞いて、過ごしてたのかと。振り子の左右みたいに、しかも大振りさせてたわけだ。

そりゃ気も擦れて然るべきだ。一瞬も休まらないわけだもの。ホメオスタシスは、セロトニンはどこいったんだい、と、今なら思える。

記録として記載してみる。

◆ノルアドレナリン分泌プレイリスト
1.ソラニン/ASIAN KUNG-FU GENERATION
2.こいのうた/GO!GO!7188
3.Pieces/L'Arc〜en〜Ciel
4.クムリウタ/大塚愛
5.3月9日/レミオロメン
6.便箋歌/クラムボン
7.君と揺れていたい/SOPHIA
8.染まるよ/チャットモンチー
9.月に負け犬/椎名林檎
10.HURRY GO ROUND/hide with Spread Beaver

嗚呼、本当に暗い。。。
しかもほとんど恋愛が絡んでるし、女々しさがすごいのが恥ずかしい。今すぐ死にたくなる、そんなに恋愛へのコンプレックス強いんだな、、
こう見ると全部が日本語曲、歌詞のメッセージが激強い。情景がすぐ浮かぶような音楽。好き。

◆ドーパミン分泌プレイリスト
1.WEEK END/X
2.ROSIER/LUNA SEA
3.Communication break down/Led Zeppelin
4.Wait and Bleed/SLIPKNOT
5.1999 secret object/聖飢魔II
6.My Sharona/The Knack
7.Zips:UNDER COVER/T.M.Revolution
8.BURN/Deep Purple
9.Love Gun/KISS
10.Love Addict/VAMPS

嗚呼、好き。全部好き。
絡むギター、リフ、ソロが好き、リズムが好き、歌が好きシャウトが好き、前に出るベースが好き、回るタムとスネアが好き。
言葉にできない、好き。

熱が強い。さすがドーパミン。
洋楽も多いし、歌詞とかわりとどーでもよくて、原始の身体に刺さるような音楽。


となるとセロトニンはどうなるんだろう。

◆セロトニン分泌プレイリスト
1.Signe/Eric Clapton
2.T'en va pas/原田知世
3.別れの曲/F.Chopin
4.時には昔の話を/加藤登紀子
5.愛の夢/F.Liszt
6.Here,there and everywhere/The Beatles
7.さらしもの(feat.PUNPEE)/星野源
8.Bridge over troubled water/Simon & Garfunkel
9.piano sonata 31/L.V.Beethoven
10.光の跡/星野源

星野源が2つ入ってるのは仕方ない。インスト、クラシック、フランス語が混ざり始める。
なんというか、聞いていて気持ちの上下が少なくて、繰り返し聞ける、心地よい音楽。


説得力が無いのを理解の上で、これが好きなんですのいう所信表明や、まして自己アピールや曲のオススメではない、ほんとです。

「好きな音楽ってなんだろう?」をきっかけに、「一曲リピート曲」を整理してみるだけで、またひとつ、違う角度から自分自身の理解が促進されることがわかった。

こんなプロセス踏まずとも自分を理解できている人は、「○○が好きです!」と、即答できる人なのかもしれない。


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