「My Life」peco
いわずとしれたpecoちゃんのエッセイ。愛犬のこと、生い立ち、息子さんのこと、そして夫だったりゅうちぇるのこと…
※本文中では「ryuchell」とされていますが、自分に馴染みがあるのは「りゅうちぇる」表記なのでそちらを使わせてもらいます
本書のほとんどの部分はりゅうちぇるが亡くなる前に書かれたもので、最初と最後だけが死後に書かれたものだとのとことです。
テレビやメディアで拝見していてずっと気になっていたことですが、りゅうちぇるが同性愛者であったことは明確に書いてある一方で、自死であることは書いてありませんでした。
たぶん本書は、りゅうちぇるが「夫」をやめるというタイミングで書くことを決めたのでしょう。世間で注目のカップルでしたし、SNSを中心に賛否両論巻き起こりましたので…
ただ、やっぱり印象的なのはりゅうちぇるの死の場面。特にpecoちゃんが息子さんにそれを伝えるシーンでは、思わず涙してしまいました。いや、自分の子供と重ねて読んでしまうよね、これ。
「夫をやめる」というタイミングでは、周囲から色んな声が寄せられたと、本文で書いているけれど、りゅうちぇるが亡くなったときもそうだっただろうなあ、と。
「先に旅立った息子の父親を恨まないのか」とか、「同性愛を隠していた元夫のことを美化しすぎじゃないのか」とか、世間からの批判や好奇の眼差しはたくさんあるだろうと思います。
ただ、自分が結婚し、子供を持って分かることは、夫婦間のことは夫婦にしか分からないことがあるし、親子のこともまた然り。だから、pecoちゃんの言葉をすべて額面通りには受け取らないにしても、本書に書かれているこのポジティブさや必死さを疑わないで応援したいな、と前向きな気持ちになりました!