「人事ガチャの秘密-配属・異動・昇進のからくり」藤井薫
pivotに筆者が出演されていたのをきっかけに読んだ本。人事コンサルタントが、主に人事配置について解き明かしたものです。
パーソル総合研究所が(日系)大企業に行った複数回の大規模調査がベースになっているそうで、主な想定読者層は新卒〜入社10年目ぐらいの若手とのことです。人事をやったことがある人や現役管理職・人事部にとっては目新しい内容ではないようですが、私にとっては多くの学びがありました(重要なところはメモしながら読みました。)。特に前半は、大手企業の若手を想定して書いていることもあり、我が社に心当たりあることばかりでした。
本書の中で繰り返されるメッセージは、おおむね次のとおり。
・人事部が関与できる人事の余地は案外狭い。特に若手のうちは、自分の人事配置に影響を与えるのは部門長や直属の上司。
・課長まではそれまでのキャリアの延長にあるかもしれない。しかし、ジェネラルなマネジメントスキルを求められる部長以上は、課長の延長上にはない。
・キャリアの志向やライフスタイルが多様化する中、全員が経営人材を目指す必要はないし、経営人材に選ばれなかったからと言って落胆する必要もない。
・これまで「管理職」になれなかった一定年齢以上の層は「専門職」と呼ばれてきた。しかし、本当に専門性を身につけた「専門職」は一握りだった。
・これからは、将来、経営人材になりたいのか、真の専門職になりたいのか、自分のキャリアについてきちんと考えるべき。
・ミドルパフォーマーや課長職の長い人も、それだけ組織に貢献しているのだから卑下する必要はない。むしろ、組織は見落としがちなミドルパフォーマーのことこそ、戦略的に人事を考える必要。
ミドルパフォーマーの自覚のある私としては、励まされたような感覚になりました。経営人材プールに入ってないことに落胆した日々もありましたが、この後の長いキャリア、何を軸に形成していくのかきちんと考えないと!と思いました。
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