雨あげる
分厚い雲のカーテンが
ぴったり閉じた天の窓
外は雨で真っ暗で
内はカビで真っ黒け
鬱陶しくて仕方がないから
カラッカラに揚げました
雨の天婦羅揚げました
そのうち匂いが天まで上り
美味しい匂いに誘われて
お天道様は本当に
久し振りに現れました
日差しサンサン嬉しくて
雨の天婦羅お裾分け
お天道様にお裾分け
それから雨の降る度に
私はセッセと揚げるのです
雨の天婦羅あげるのです
この世がスッカリ何処までも
カラッカラに干上がって
この世の人が誰だろと
カラッカラに干乾びて
何処にも誰も居なくなるまで
私は天婦羅揚げるのです
雨の天婦羅あげるのです
私はお前らだけには絶対に
雨の天婦羅あげないよ
絶対呉れてやるもんか
カラッカラに干乾びて
さっさとこの世の何処からも
居なくなればいいのにと
毎日毎日願ってる
兎に角お前ら人間なんか
天婦羅食うな糞食らえ