大吠楽飢

あたおか 驢鳴犬吠がモットーのnote投稿者つまり糞

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    思い付き、メモ、アイデア帳、プロットなどの掃き溜め、つまり覚え書き

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    近代日本の犬の生活、または日本に生きた犬達の受難

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    夏目漱石とその周辺について隙間時間にさっと読める軽めの分量で投稿したもののまとめ

最近の記事

虹を盗んだ話

君は今日虹を見たかい? 私は今日幸運にも虹を見たよ。 成子坂の向こうに虹が架かっていたんだ。 雨上がりの午後、成子坂の向こうの空に、虹が架かっていたんだ。 私は、淀橋から一つ新宿寄りの横断歩道に信号待ちをしていた。 十二社方面へ向かうため、花屋の前の横断歩道に青信号を待っていたんだ。 右手は淀橋から坂を上り中野坂上、左手が成子坂を上り新宿という位置にいた。 ふと左手を見遣ると、ビルとビルに切り取られた、縦に細長い狭い空に、大きな虹が見えたんだ。 私はちょっとワクワクした。

    • 重い月夜 第十七夜

      青い十字路 私は自転車に乗る 山二輪だ マウンテンバイクである その中で voodoo にしか跨がらないと決めている 私は Joe Muray の voodoo 意外眼中にない だから現状私の愛車は voodoo であり、この先も voodoo である これからも私は voodoo に乗り続ける所存である voodoo 最高 voodoo こそ至高

      • オッサンになると言うこと

        オッサンになったんだなあと思うことは、例えばこんな事。 まだお若い方は到底分からない事と思う。 明治屋のコンビーフひと缶で500ml缶一本(何でもいい)あける自分に気付居た時。 ひと缶と言っても今はプラスチックの入れ物に変わった訳だが。 兎に角、500缶一本をソレでやっつけるていう、そういう行為は、オッサンの専売特許と心得よ。 若い貴方がたには分からないだろうし、少なくとも若い私には分からなかった。 因みに私は、このひと缶に醤油、粗挽き胡椒一垂らししてグチャグチャに崩して食す

        • 重い月夜 第十六夜

          レトロジック 今時文章書くのにロジックなんて必要ない レトリックがあればいい むしろレトリック万歳 そう考えられてるんじゃないかと思う 今時ロジックなんて五月蠅いだけなんだ 煙たがられる ロジハラ--ロジックハラスメントなんて言葉が出て来た それが何よりの証左だろう

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          いたみいる

          若しもお前に殺したい相手がいるのなら 自ら殺す必要はない お前は任意の相手を痛めつけるだけで良い  後は痛みが殺すから 若しもお前が自ら死を欲するのなら 自ら死ぬ必要はない お前は自身を痛めつけるだけで良い 後は痛みが殺すから 痛みは人を殺す 人は痛みに殺される それは身も心も問われない 身でも心でも痛みを感じたなら最期 痛みは死を願うよう仕向けるだろう 痛みに捕らわれた時人は死を思うのだ メメントモリの一翼は痛みが担っていると知れ 生きたければ痛みを遠避け 我が

          いたみいる

          重い月夜 第十五夜

          アガルガール 例えばこんな事 階段が有る 階段上がる 息が有る 息上がる 腫れが有る 腫れ上がる 禿が有る 禿げ上がる 舞が有る 舞い上がる 飴が有る 雨上がる 陽が在る 干上がる 釣りが有る 吊(釣)り上がる 運河在る 運上がる 栗が有る 繰り上がる 月が在る 突き上がる 罪が有る 積み上がる 太刀が有る 立ち上がる 滝が在る 炊き上がる 蕗が有る 吹き上がる 薪が有る 巻き上がる 欠けが有る 駆け上がる 紀文が有る 気分上がる 森が

          重い月夜 第十五夜

          クマニツキトバサレタルワレハ

          結果、あばら2本折れましたわ どうもです。 只今絶賛あばらバラバラの私です。 そういうこと。えらいこっちゃです。 言っても、私は普通に歩道歩いてただけですからね。 そこに暴走したクマが私目掛けて突進して来たル訳で。 それも真昼間の大都会東京のど真ん中。 そんな所で、暴走したクマに突撃されたル訳です。 後ろからキキキキイイイイて言う地獄からの警告音かよって言う、飛んでもない唸り声。 振り向くと、黒いクマが迫り来てバーンて突き飛ばされたル訳。 私こう見えて昔曲芸やってたんで

          クマニツキトバサレタルワレハ

          重い月夜 第十四夜

          もう幾つ寝ると…… もう幾つ寝ると 和尚がツゥっ…… と来てお前の首を絞めるだろう そうしてお前は死ぬだろう だけど安心していいよ だって和尚は其処にいる 屹度念仏唱えて呉れる だから迷わず冥土に行けよ いってらっしゃい サヨウナラ

          重い月夜 第十四夜

          糸落ちてたが切れなかった小咄

          つい先日のこと。 如何にも風情な女郎花が目に飛び込んできた。 キレイだな、だけどちっと邪魔臭えなあと思いながら、ズカズカ女郎花の横通り過ぎると、後ろから追い抜いて来た野郎の肩が俺の肩に当たった。まあ、因縁付けるわけじゃねえが、オイコラて呼び止めた。 肩当たって一言もなしか大したもんだなと思ってる所に、振り返えった野郎の面拝むと、何だ糸じゃねえか。 奴凧見てえな面して、此奴切れてやがる。 糸って言ったら、同期で入門した若手噺家の中の有望株、言ったらオイラの元兄弟。 噺が丸で糸

          糸落ちてたが切れなかった小咄

          重い月夜 第十三夜

          オレタオレタオレタ 俺倒れた折れた 折れた折れた折れた 折れた俺倒れた 俺倒れ倒れた 肋骨折れた

          重い月夜 第十三夜

          至高の煎餅のお話

          煎餅が好きすぎて息子に千兵衛と名付けた。 それが元で女房に三行半突き付けられた。 当然親権は向こうに行った。 煎餅の所為で、愛する女房と千兵衛を一遍に失った。 そんな事情で私の傍らには、愛する女房と千兵衛はもう居ない。 しかし私は大丈夫。 何故なら煎餅があるから。 私の許には何時も煎餅が有るから。 大好きな大好きな煎餅が、私の許には何時も有るのだから。 だから、私は大丈夫なのである。 なんなら、全然平気である。 もっと言えば、私には女房も千兵衛も不要だったのだ。 扶養だったが

          至高の煎餅のお話

          重い月夜 第十二夜

          何でしょ? どうもです。 私もボチボチ自分語りしていこうかななんて思いまして。 どうみえてってか知らねえけど、私実はアメリカ生まれアメリカ育ちなんですよ。人種はジャップだけど。 アメリカのアイダホ、知ってる? まあ言ったらど田舎。はい。 乾燥しててさ、いっつも土埃舞ってて、たまにタンブルウィードが転がって来るんだよ。カサカサカサカサーって。手入れ怠ると羽田も直ぐカサカサーてなるんだけどさ。でも何が面白くって転がってんすかね、アイツ等。実際見ると馬鹿みたいなんだよ、アレ。カサカ

          重い月夜 第十二夜

          重い月夜 第十一夜

          睡魔の魔 働いて働いて 疲れて疲れて 兎に角眠りたい そんな状況になったからといって グッスリ眠れる保証はない 眠いのになかなか眠れない 変な時間に目覚めて二度寝できず朝になる 何故なんだ?

          重い月夜 第十一夜

          重い月夜 第十夜

          うける 被害 挑戦 衝撃 真 うけたくない 杯 先代のあと 前任者の意向 責任とかそういうのもれなくセットだろコレ、セットが要らない、だからこれもない 援助 どういう状況で、ていうのが先ずある それによりけり 寵愛 これはあり寄り でも「誰から」なのかに依る 受け付けない 受け取らない だけど何も要らない訳ではない 少し注文が多いだけ わがままかね? ズルいのか?

          重い月夜 第十夜

          重い月

          我々は月が三角であることを誰もが知っている。 この事実を発見したのは日本人である。 稀代の天才、稲垣足穂その人である。 その著作「一千一秒物語」に詳しい。 その偉大なる先人の大発見に、対抗する心算は毛頭ないのだが、実は最近、私は月のある事象に関する重大な事実に気が付いた。 私の研究によると、月の出と月の入りとは、一つの月の質量の減衰による可能性が示唆された。 詰まり、月は空に浮くに従い質量が増し、軈て海へ落ちる。海へ落ちた月は海水に曝されるうち、質量が減少しその位置を上昇さ

          月夜の海面の花びらの

          海には誠に摩訶不思議な生物がいる。 数多(あまた)居るその中に、体は略(ほぼ)水であり、脳がなく心臓もなければ血さえない、そんなものが存在する。 クラゲである。漢字で「海月」と表記される。 何故「海月」なのか、という私の問いの答えは既に、古人の歌に詠まれていた。 秋くれば 月の桂(かつら)の 実やはなる 光を花と 散らすばかりを(古今和歌集 源恵) 海面(うなも)に花と散った月光の化身、それこそ「海月」なのだ。

          月夜の海面の花びらの