重い月

我々は月が三角であることを誰もが知っている。
この事実を発見したのは日本人である。
稀代の天才、稲垣足穂その人である。
その著作「一千一秒物語」に詳しい。
その偉大なる先人の大発見に、対抗する心算は毛頭ないのだが、実は最近、私は月のある事象に関する重大な事実に気が付いた。

私の研究によると、月の出と月の入りとは、一つの月の質量の減衰による可能性が示唆された。
詰まり、月は空に浮くに従い質量が増し、軈て海へ落ちる。海へ落ちた月は海水に曝されるうち、質量が減少しその位置を上昇させ、再び空に浮かぶ。このサイクルが繰り返される。
月は自身の質量の増減によりその位置を変えているのだ。

つまり、軽い月は夜空に浮かび、重い月は海に沈む。

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