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無意識に

ヘトヘトの足と足が交差する満員電車の中で
ただひとつの希望を頭に浮かべて揺られる。

人という人のリュックやスーツケース、携帯を持つ手を潜り抜け、やっとフレッシュとは言い難いが排気ガスまみれの東京の空気に安堵をし、解放されて、下車する。

何てったって彼がいるのだから。
人混みの改札だって、彼を見つけるスピードは、
みっけやウォーリーを瞬殺で探し当てられるほどの瞬発力だ。

瞬殺で探せるものの、声を掛けるには惜しいのだ。
待っている姿がいちばん愛おしいものだから。
私の見慣れた駅、通い慣れた駅に、異邦人的な存在。

今日も頑張れたよ。

人の仕草で、人を待ってる時の姿がいちばん人間味が出て、
中でもその人のことを考えてる人を見てニヤニヤしてる人をニヤニヤして見ちゃうんだから。

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