もるにあ狂想曲~クリエイター崇拝が産み出した泡沫の熱狂~



皆さんは「もるにあ」をご存知だろうか?簡単に言えばアプリと連動するラジコンの類いで、簡素ではあるが公式サイトも存在するもるにあは初代けものフレンズやケムリクサやへんたつでお馴染みのたつき監督が所属しているirodoriが開発した物で一時は凄く盛り上がった。 

しかし、現在はもるにあ関連の動きが全く進んでおらず、積極的に語る人も少ない今回はもるにあの誕生及びその歴史そして現在のたつき監督について語っていく

もるにあの歴史~匂わせから臨時もるにあまで~



2020年4月13日にたつき監督はこの様なポストを投稿し、けもフレアンチを含めたたつき監督のファンは期待していた。と言うのも当時はケムリクサやへんたつが終わりたつき監督の新作アニメが発表されて暫くたっていたからだ。



3日後にたつき監督がポストしたのはもるにあの開発に関するアナウンスだった。新型コロナウイルスの影響で外に出られない中、外に出かける感覚をスマホやPCを通して体験できるという触れ込みでアルファテストを始めた


 

もるにあの見た目は深海性のナマコを縦にしてケモミミに似た突起と正面の窪みにカメラが着いた姿をしている。また、駆動方式は恐らく内蔵モーターで、電源も外部に電線の類いは無い為内蔵された電池か何かと思われる

他にも本体は白い樹脂製で恐らく3Dプリンターを使って作られている事、機体底面に車輪及び動輪、尻尾状突起の中に方向転換のための転輪が収められているようだ



そして、和風の部屋を模した箱庭での試験運転を終えた後もるにあは外部へと貸し出された最初に置かれたのはたつき監督が常連だったネコカフェで、たつき監督の為に態々貸しきってくれたようだ。

また、熱心なけもフレアンチを兼ねたたつきファン曰く「猫のストレスにはならず、むしろ好奇心旺盛な猫は積極的に近づいていた」そうだ。その後は熊本市のレンタルスペース西新宿のカフェギャラリー沖縄県のテーマパークに貸し出された



しかし、その後もるにあは迷走してしまう。アルファテスト終了後にもるにあの公式Xでは「仕事の合間にベータテストを開発すると言う趣旨の発言があったが12月30日から始動した臨時もるにあは実物ではなく3DCGアプリだったのだ。



内容としては『駅長さん』や『傾福さん』を彷彿とさせる空中上の廃駅で、三人称視点に固定された画角の中にいるモルのCGを動かす物となっている。他にもへんたつの鬼を模したモルやオミクジ機能等もあったが、1月11日を最後に更新を途絶えた。


ファンとアンチの反応~其々の言い分~



もるにあはファン及びアンチから様々な反応を受けたたつきファン特にけもフレアンチを兼任する部類の人はもるにあに熱狂していた。それは前述の理由の他に「現状のけもフレよりも優位に立っていると自負していたからだ。

例えばその代表格であるちきちき氏は「(もるにあのコンセプトを)コロナ禍でも人を楽しませるクリエイターの鑑」「(展開は予想できないと言った上で)こう言う世の中だからこそ外出せずとも楽しめるサービスで利益を出すの凄く楽しみな事とべた褒めだった。


 

一方アンチ側はもるにあの事を「新作アニメ制作中にラジコン遊びをしていると揶揄していた。また、西新宿のカフェギャラリーで飾られていた独特な形のサインに対しても「殆ど白紙で明らかに手抜きだ!と呆れられていた

他にも、安定した場所でないと運用できないログインや円滑な操縦ができない肖像権の侵害急にCGになる等不透明な運営もるにあで店を宣伝してもたつきファンが来るとは限らない事を指摘していた


もるにあを支えたクリエイター崇拝~たつきサイドの神格化とけもフレサイドの悪魔化~



もるにあを含めたつき監督の作品を支えていたのはある種の個人崇拝
で、全盛期はたつき監督の事をカルト宗教の教祖や自己啓発スクールのトップの如く信仰していた。これを便宜上「クリエイター崇拝と呼ぶ

例えば以前私が解説した読書氏がとある記事にて、たつき監督がかばんとサーバルを描いたアンソロジーの表紙に対して、「かばんちゃんとサーバル、それぞれの『性格』が、深い理解において『表現』されており、また『両者の深い関係性』までもが、よく表現されている」とべた褒めをしていた。

ただ、これを長く書くのは流石にキツイので重要そうな部分を要約及び抜粋してまとめてみた他にもかばんの帽子の様子やかばんとサーバル両者の足の開き方等も語っていたが、個人的にはそこまで重要でないとと感じたので、気になる人は読書氏の記事を見て欲しい


・かばんちゃんは基本まじめだから、自分たちがネタにされたマンガを見て「嬉しい」と同時に「恥ずかしい」とも「困ったなあ」とも感じているのが、この表情からは窺える

・サーバルに説明しているは、マンガというものに慣れていないからで、文化的な物への両者の理解の差や、「教える・教わる」といった、二人の関係性が描かれている

サーバルの見開かれた瞳には、文化的なものへの驚きと好奇心がみなぎっているのはマンガという人間文化は、この時初めて出会ったものだというのがわかる。

両手をテーブルの端にかけテーブルに顎をつけているサーバルの姿勢は、かばんちゃんが手にしている「マンガ本の内容」ではなくむしろ「マンガ本」という珍しい「物」に興味が集中しているために、我を忘れている

人間ならかばんちゃんと同じ目の高さでマンガ本を覗き込むだろうが、基本けものであるサーバルは、マンガ本という見慣れぬ「物」を見ているせいでその目線の高さもおのずと違ってくるのだ。

独断と偏見で選んだ読書氏語録



他にも「ケムリクサの事をこれくらい多くのクリエイターが指示している!と自慢気にまとめていた人もいた。因みにその中にいる赤松健自民党議員はインボイス制度や生成AIを推進する等クリエイター崇拝にとって裏切り行為をするのは別の話



一方で自分が崇拝するクリエイターの天敵を徹底的に悪魔化させるのもクリエイター崇拝の特徴でもある。例えばけもフレに参加していたAGNの事を「反社会的勢力が関わっている企業だ!」と風評被害を拡散した

理由はAGNの社長が昔働いていたPRIDEと呼ばれる会社が「ヤクザが関わっていた!」とリテラと呼ばれる主に左派が好んでいる週刊誌に噂されたからで、その会社が運営するハッスルと言うプロレス大会にケロロ軍曹のキャラクターが出ている事も邪推を進めた



しかも質が悪いことに、それは月日が立つに連れて悪い方向に拡散されていった。例えばけもフレ2最終回直後にアンチサイト筆頭のけもチャンが「AGNの社長から『真実を話したいから1度会って話をしたい』と言われたと告知文を出した

するとけもフレアンチは「反社勢力であるAGNはけもちゃん管理人を拉致監禁して始末しようと企んでいる!と解釈し、警察や暴力団相談所を中心にお問い合わせを行った



また、有名けもフレアンチ投稿者であるワイトキング氏は「吉本興行のシソンヌはAGNと密接な繋がりを持っている!」と発言した。因みにワイトキング氏は「京都アニメーション火災の犯人はけもフレサイドの鉄砲玉だ!」と言う陰謀論を広めた人物として有名だ。



また、原作者である吉崎観音氏もけもフレアンチから長年誹謗中傷を受けてきた。その発端は、デイリーニュースオンラインが流した「吉崎氏がたつき監督を追い出した黒幕でその理由がたつき監督に嫉妬していたからだ!と言うデマがなんJを中心に信じられたからだ。


 

以降、吉崎氏は様々な理由でけもフレアンチから難癖を付けられた。けもフレアンチ曰く「たつき監督にスジが通せとヤクザ紛いの発言をした!」「吉崎のギスギスした喋り方を天才たつき監督が直した!」「売れてから総監督を名乗り始めた!」らしい。



更には、吉崎氏が現在連載しているケロロ軍曹にも真偽不明な情報を流した。例えば「ケロロ軍曹の面白いシーンはアシスタントの古賀亮一が描いた!」「ケロロは古賀のキャラクターのパクリ!」「ケロロ軍曹のアニメにおいてが吉崎が嫉妬で監督を追い出した!と言った感じだ

前者は古賀氏の著作「ゲノム」に出てくるパクマンと呼ばれるキャラクターが偶然ケロロに似ていたことから始まったデマだが、後者に関してはそのアニメ監督自身が明確に否定した
 

最後に~続・たつき監督のその後~



最後にたつき監督のその後につていて話そうと思う。それまでは年に1回へんたつを放送し、新作映画を匂わせていたが、去年の大晦日にたつき監督の新作アニメいきぬきホロライブが放送した。 12月2日のholox2周年イベントで発表した際は双方のファンから期待されていた



この番組はホロライブが誇る大晦日でのメインイベントの1つゆくホロくるホロでも公開され、私はそちらで見た。テレビでの時間帯は21:57~22:00の3分間で、23:58~22:00のへんたつより長くそれでいて早い時間帯での放送となっている



たつき監督ファンからは絶賛の声が上がっている。チキチキ氏曰く「たつき監督が携わった『てさぐれ部活物』のホロライブ版でめちゃくちゃ親和性が高かった。」「holoxだけでなく先輩方の画像を出すのも良かった。」等と好評だった。



一方で、2Dのイラストに苦言を呈する人物もいた。曰く「キャラクターが動く場面だと顔が変に潰れかけているように見えるし、動きも悪い意味でアニメらしさを感じられないカクカク具合と違和感が大半を占める」らしい。



ここからは私個人の感想となる。私がこの作品を見て思ったのは「面白かったけど求めていた作品と若干違った」だった。内容であるアニメ造りに関する話自体は面白いし絵柄も「アニメ筋トレ」の成果か多少は良くはなっている(ただ3Dの方が個人的には良いと思うが)。 

特に鷹嶺ルイの「テレビは企画から三年以上かかるし特にスタジオは順番待ちが凄い」や「よしんばアニメが出来たとしても予算とツテが必要で(以下早口)」の部分も今のたつき監督の愚痴っぽく興味深かった。 

強いて問題点を挙げるとすれば、アフレコ部分がモロ雑談なのと一部のシーンがイラストだけなのでアニメと言うよりも公式手書き切抜き配信を見ている感じだったのと、話の中身がへんたつと比べると薄く感じた事だろうか。

ただ、正直ケムリクサの様な冒険物やホロぐらの様なハジケ作品も期待していたし、最後に長年ファンが待っている映画の上映日がしれっと移るもの期待していたが、その様な事は特に無かったのは残念と感じた



 いきぬきホロライブは夏コミにてbluーray を発売し、なんと特典としてirodori描き下ろしジャケットや特別映像や活動日誌と言う名のファンブックがついていた。たつき監督も「最初冗談かと思ってたけど本当に形になってる!と驚いていた



他にもコミティア40周年記念の告知イラストを描く等一昨年や去年と比べると僅かに仕事が増えているが、やはり全盛期と比べると少ないやはり映画に関してはスタジオの順番待ちや予算やツテが無いのだろうか


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