「痙攣へのアセスメント」
痙攣を認める方へ遭遇する機会は度々あるかと思います。痙攣となるとセラピストならば、まず中枢の疑いを考えるかと思いますが、実はそうでは無いこともあります。
中枢が原因以外の痙攣と、セラピストとしてどの様に痙攣を認める方へ対応したら良いのでしょうか。
上記の内容で、原因や対応方法が気になる方は最後までご覧ください。
痙攣の原因疾患
そもそも痙攣は、発作性に起こる筋肉の不随意で急激な収縮をいい、全身の痙攣から一部の筋肉の収縮まで含まれます。
痙攣の原因は脳疾患だけが原因では無く、電解質異常・代謝異常・循環異常・心因性など様々な要因があります。
痙攣の種類
痙攣は、「全身発作」と「部分発作」の2つのタイプに分けられます。
全身発作には、間代性痙攣・強直性痙攣・強直間代性痙攣に分けられ、部分発作は単純部分発作と複雑部分発作に分けられます。
◎各発作の特徴
・間代性痙攣
→ガタガタと手足の屈伸を繰り返す。
・強直性痙攣
→叫び声を上げて意識が消失し、筋が硬直する。また全身が後弓反張(弓なりの姿勢)になることもある。
・強直間代性痙攣
→間代性と強直性の合併。発作後の身体は弛緩し、睡眠状態もしくはもうろうした状態となり元に戻る。除脳硬直(中脳・橋の障害)や除皮質硬直(大脳半球の障害)がみられる。
・単純部分発作
→意識障害なし
・複雑部分発作
→単純部分発作から始まり、意識障害が続く。
痙攣発生時の対応のポイント
【ポイント1:その場を離れない】
痙攣発作の発症後に、その場を離れない事は当たり前で分かりきったことかもしれないですが、かなり大切です。痙攣の第一発見者は、痙攣の持続時間と回数の観察を行い、痙攣重積に該当するかのアセスメントを行う必要があります。
また、意識状態を確認しながら安全確保を行いつつ応援を要請しましょう。また布団を被っていれば掛け布団を外し、全身の観察を行いましょう。
【ポイント2:口腔内に物を入れない、体を押さえない】
「舌を噛まないように」と口腔内にタオルや指を入れると嘔吐を誘発する可能性があるため、行なってはいけません。また、痙攣を止めようと体を押さえたり拘束を試みると四肢の損傷に繋がる可能性があるため、これも行なってはいけません。
【ポイント3:二次損傷を防ぐ】
痙攣発作中に周囲も物に身体を打ち付けないように保護しましょう。また痙攣が起きた時の大原則は”慌てないこと”であり、人を集めて落ち着いて対応しましょう。
セラピストとして、痙攣発作への対応で出来る事は沢山ありますが、痙攣重積発作や脳卒中を疑う場合は非常に緊急性が高いですので緊急要請を行いましょう。また嘔吐を認めた場合は、窒息や低酸素を防ぐために側臥位をとりましょう。
本記事内容で完璧に対応できる訳では無く、あくまでも対応の参考の一部と捉えて頂ければ幸いです。
以上、リハキムでした!