「麻痺へのアセスメント」
生活習慣病や喫煙歴のある方、また糖尿病を患っているなど脳卒中の発症リスクが多い今日で、麻痺症状の発症に遭遇するケースは少なくないかと思います。
言わずもがなですが、麻痺の中でも中枢性の麻痺は緊急度が高く、迅速に対応しなければいけません。
では、セラピストとして麻痺の発症を認める方に対してどのように対応をすれば良いのでしょうか。
上記の内容で既に知っている方も復習がてらに最後までご覧ください。
麻痺の分類
「麻痺」とは、大脳皮質・錐体路・錐体外路に損傷を受けることで発症をし、運動や感覚に障害が生じます。
また全く動かない状態である「完全麻痺」と、ある程度は動く「不完全麻痺」があります。
さらに「中枢性」と「抹消性」があり、中枢性では迅速な治療により予後が左右されるため、発症に早期に気づくことが大切です。
麻痺への簡易的なスクリーニング
ブルンストロームステージやバレー徴候、ミンガッチーニ試験などによるスクリーニングもありますが、今回はFAST(Face,Arm,Speech,Time)による簡易的なスクリーニングの方法を紹介させて頂きます。
FASTはローマ字の通り「顔面、腕、言葉」で確認でき、医療従事者で無い方でも簡単に脳卒中を疑うサインを確認できるので、家族指導の1つとしても使えます。
F(Face):笑顔を作ってもらい顔の片方が歪んでいたり、顔の半分だけが自由に動かせない。
A(Arm):両腕を水平にして上げると、どちらかの腕が下がってくる。
S(Speech):思うように言葉が出てこなかったり、呂律が回らず普段通り話せない。
T(Time):症状が発症した時間をメモしておき、上記の症状のどれか一つでも該当していたらすぐに救急車を要請。
今回の内容はこれまでですが、麻痺は迅速な対応により予後が大きく左右されますので、私たちセラピストが気づけるだけで無く、家族様も気づけるように家族指導を行う事で、対象者の人生を大きく変える事になります。
脳卒中の発症リスクが高い方への対応で「FAST」を用いたアセスメントと指導を行い、1人でも多くの方の命をセラピストが守れたらと思います。
本記事内容で完璧に対応できる訳では無く、あくまでも対応の参考の一部と捉えて頂ければ幸いです。
以上、リハキムでした!