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猫が好きだ。そう言う前向きなことを書こうとしたら自戒の念を書き連ねてしまった(エッセイ)

猫の可愛さは止まることを知らない。

何故か僕は猫に縁があるように思う。

実家は一度引っ越しているが、前に住んでいた実家の周りには野良猫が何匹かいた。

引っ越した先も近くの家でたくさん猫を飼っていて(あの多頭飼いはいいのだろうか?と思うのだが、世話はちゃんとしているみたいだった)うちの周りも猫の散歩コースだったようでよく見かけた。
自分の部屋は駐車場に面した一階だったので春ごろの早朝に
「オア〜〜〜〜!!!」
と赤ちゃんの泣き叫ぶような声で起こされる。

「なに!?」
と慌ててベッドから起き上がり外を見ると窓のすぐ下で2匹の猫が喧嘩をしている姿が見られる。

「なんだ、猫かぁ」
と和む気持ちと、
「いや、あと30分寝られたわ!」
と苛立つ気持ちで
「なんだかなぁ」
と肩を落として、朝の支度をする。

そんなことが続くと慣れてしまうもので
「オア〜〜〜〜!」
と声が聞こえても
「あぁ猫ね」
と言いながら二度寝が出来るくらいにはなった。

1人暮らしを始めた今の家の周りも猫がたくさんいる。

近くの一軒家で飼っているようだ。

その中の1匹と徐々に仲良くなりつつある。

僕が近づいても逃げなくなった。

嬉しい。


カメラを向けると寄ってきてくれた。嬉しい


たまたま出会った猫に僕は小学生の頃のことを思い出す。

「猫飼ってみる?」
そう近所の同級生の友達に言われた。
虫と亀なら飼ったことがある(虫は夏を過ぎる前に死んでしまい、亀には逃げられた)が大きい動物を飼ったことはない。

「でもなぁ・・・」
そう尻込みしていたら
「じゃあお試しでどう?」
と、言ってくれた。

「それなら」と
親に頼んでお試しで猫を迎えることにした。

子猫を予想していたのだが(彼も生まれたばかりの猫と言っていた)、予想に反して成長した猫にビビりながらも
「かわいいねぇ」
とみんなで話しながら夜を迎えた。

猫は基本的に夜行性である。

更に今までと違う場所に連れてこられて、

『ガタン!』

と置き物が落ちた。

お迎えした猫は我が家を探るように深夜、部屋中をぐるぐる回って、それはそれは子どもの僕には恐怖だった。

「怖い!」

と父親の部屋に行きそこで寝た。

猫も興奮していたのだろう、突然連れてこられて、よく知らない人間たちに囲まれて、
そして僕は恐怖した。

後日、友達に
「ごめん、やっぱり、飼えないや」

と言って、猫を返却した。
知識も無く、無責任だったと自戒した。

それ以来、生き物を飼うことが怖い。

だから僕はこれからも生き物を飼育するということはしないだろう。

どんなに猫が可愛くても、僕には道端で出会った猫を愛でるぐらいが丁度いい。


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