クラマラス 28話 (長編小説)
私たちは舞台袖に立った。
「いつも河原でやっている曲を3曲。それでいい」
「でも、私、こんなの、誰かに聞かせようと思ってやってないから無理だよ」
「いいんだよ。今日より明日。誰かの為じゃなく自分のためにしよう。北野さんは自分のためにこれからステージに立つんだ。明日のために立つんだ」
背中を押されるような気がした。岩野先生と谷岡さんの言葉だ。
「北野!これ」
梅沢がトランペットを持って来てくれた。
「1回合わせてみよう」
ダンス部は盛り上がっている。ベース音が大きい音楽な