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Photo by
uzumakifuuko
まほうのきおく
ちっちゃいころ、自分は特別なんだと思っていた。
いまは眠っているけど、きっと魔法が使えるんだと思ってた時期があって
目を瞑ると心の奥に宝物がたくさん入っているピンクの乗り物があって
そこには欲しいものをイメージして手を伸ばすと、いくらでも手にはいったんだ。
だから大事なものを見つけた時は、私はここによくしまいに来ていた。
運が悪く思える出来事でも、全部自分のために回ってるんだって思ってたし。
だけど、いつの間にか何でも手に入る魔法の乗り物も見なくなって、
いつからか自分は運が悪い方の特別なんだと思うようになってしまった。
それでも、今でも絵を描いたりして、人とは違う特別なことができるんじゃないかって信じていて、
オトナになるとその灯火が消える瞬間が少しはあるけれど
この灯火は消してはいけないと思うし
嫌なことがあった時に大げさに考えてしまうのも、きっと自己顕示欲のようなものなのだろうと思う。
まだ小さな頃に戻りたいなとおもった、
私は運が良いほうの特別。