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バナナチョコパイの思い出

1993年頃学生だった私は、喫茶店でアルバイトをしていた。そこはコーヒーが900円もする洒落た今でいうカフェであった。12種類くらいのケーキもあり、ショーケースに美しく並ぶケーキを見てうっとりとしたものだ。

早番のアルバイト仕事の1つに、納品されたケーキをショーケースに並べるという作業がある。あの頃はワンホールずつ並べて注文が来てからナイフで切って出していた。1つ1つ手をかけることで単価アップをしていたのだと今は思う。そんなに混まないし。

ケーキ大好きの私は、この仕事がかなり好きだった。まだカットされていないワンホールのケーキは芸術品のようだった。その日もルンルン🎵とケーキを箱からだしショーケースに1つずつ置いていた。バナナチョコパイだ!今日はワンホールだけなのか、夕方にはなくなるな〜なんて思いながら、置いたつもりが手が滑り、、、ケーキはあれよあれよとショーケースの2段目からお客さんに見えるガラスに向かって落ちていった。これ本当に今でも脳裏に残っているのだが、スローモーションだった。と言っても止めることはできなかった。

ぎゃー!どうしよー!!真っ青になって店長へ謝りに行った。あの時代はのんびりとしていたのか、まあ仕方ないよね と許してもらえた。このことも多分一生忘れない。
同じアルバイトの先輩は、へえバナナがまるまるこんな風に入ってるんだね〜なんて分析していて、救われた。

時代は変わったけれど、私も許せる人でありたい。

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