見出し画像

高校生~大学2年生くらい向け【就職活動とは自分を売り込むセールスである】

今回は大学生の最近の就職活動に対する私のボヤキです。この通りにやったから就職活動で絶対成功するというものではないのでご了承ください。当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

グローカル人材?

前置きが長くなりましたが始めましょう。
最近は「グローカル」人材の育成というのが話題になっています。
「グローカル」です。「グローバル」ではありません。
最初、この言葉を見たときグローバルの記述ミスかと思いましたが違います。

グローカル(Glocal)とは、「地球規模・世界規模」を意味するグローバル(Global)と「地元・地域」を意味するローカル(Local)という2つの英単語を組み合わせた造語です。
要するに地球規模で考えることができて、かつ地域の細かいことまで頭が回るということです。

まあ地球規模とか世界スタンダードばかり唱えて日本の商慣習を全否定し続ける人材とか企業も求めてないでしょうからね。

就職活動に関するよくある誤解と真実

ところで就職活動って何だと思いますか?
働くための登竜門?もちろん正解です。
面接官が学生を質問でいじめて求職者をふるい分けする儀式?それも正解。

でも一番は「あなたという商品を企業に売り込むセールスの場」です。
自分が商品?軽く扱うな、なめるなよ!という前に話を聞いてください。

企業はたくさんの求職者の中から、企業に都合のよい、企業が欲しい商品を就職活動で拾い、給料という商品代を払おうとしているのです。

もちろん一回買って終わりではありません。給料というサブスク代を払い続けるのです。

セールスで重要なのはストーリー

ところで商品を売るとき何が大事だと思いますか?
色々あるでしょうけど一番大事なのは「商品のストーリー」があることです。

ただのモップも「あなたが困ったこんなときに、すごく便利で、辛さがかなり軽減されます」といえばものすごくたくさん売れます。
就職活動でもあなたのことを企業がほしくなる「あなたのストーリー」が語れることは非常に重要です。

しかもこのストーリーは「真実性」というより、企業を「どれだけ買いたい気持ちにさせるか」が大事です。
馬鹿正直に「私はコミュニケーション力があります。ただし未熟で22歳なので日本のコミュニケーションランキングが仮にあったら4000万番目くらいでしょう」とか言う必要はありません。

「旅行に行ったとき周りの学生が外国の観光客とのコミュニケーションで困っていたときに親切に道案内してあげました。成功のコツは真心と日ごろから学んでいた英語力です」
これだけで面接官を「まあ悪い人ではなさそうだ」くらいの気持ちにさせることができます。
ランキングで語り始めた人より、後者の観光客のストーリーを語れる人のほうが選ばれそうですよね。

なおついでに言っておくと、セールスで重要なのは「商品の価値に対する深い知識」と「顧客に対する深い知識」と言われています。
就職活動では大学入学時点から「自分という商品価値を作る・磨く・理解する」ことから始まり、顧客である入社希望の企業に対する深い知識が必要です。
それらをストーリーで相手をその気にさせて売り込むわけです。
つまり企業が掘り下げているテーマを見つけて自分が磨いて掘り下げているテーマを語る。私を雇えば企業のテーマにこんなふうに貢献できるし適性があります。今買っておくとこんなにお得で便利です。みたいな話です。

ストーリーが生きる場所を見つけるのも大事

モップの話に戻りますが、例えば巨大台風で店内がちょっと浸水したようなときに、近くのコンビニとかホームセンターにモップがあったら売れますよね。いつもより大量に。
自分という商品も適材適所で、この企業のこんなときにすごく役立ちますよ、と言えたほうがいいです。そういうストーリーを準備するのが最低限必要となります。
どんな企業からでも引っ張りだこというよりは、この業界のこういう職場なら役立ちますと言えたほうが買ってもらえる確率は上がりますよね。だってそんな万能選手って国内国外問わず一握りでしょう。

どこでも採用してもらえる準備をするよりは
「狙いは定めておきましょう」
ということです。最低でも業界くらいは。できれば企業のジャンルも。その中で3番手くらいまでを頭に描くくらいはしたいですね。

もちろんその企業についての知識は無いとダメですよ。顧客(その企業)のことを知らない、顧客がやっている事業に詳しくないセールスマンからは誰も商品は買いません。

就職活動をテスト勉強に例えると

ここで最初のグローカルの話に戻ります。
これって明らかに就職活動で質問しますよ、って言ってるようなものですよね。大学のホームページを調べてみてください。結構大学代表が言っていたりします。
テストで言えば大問1ですよ。もう勉強してきたら点数あげますよ、ってレベル。

他の大問は「コミュニケーション力」とか「専門性」「専門性以外の探求テーマ」とかです。聞かれるのがわかっている内容ってもういくらでも調べられますよね。就活本で過去の面接内容を調べてもいいですし、大学とか企業の代表者挨拶とかを見れば「こういう人材を育てています、こういう人材を求めています」ってわかります。

でもこういうことって付け焼刃では答えられないのです。そういうテーマなんです。
答えを暗記すれば終わりではなく、自分がそのテーマについてストーリーを語れて企業を買いたい気持ちにさせないといけない。
そして、上の外国の観光客とのコミュニケーション云々の場合、最低でも英語力を磨いておかないといけない。そして地域の外国の方や外国の観光客と接点がある状況を作らないといけない。

ストーリーを語るために自分に属性を貯める

つまり企業や大学が出題する内容を大学入学、もっとうまくやりたいなら高校生の大学選びくらいの時期に先取りしておいて、それに合わせて自分が何らかの技能を身に着けたり、何らかの体験をしたり、何らかの資格を取ってそれを生かす経験をしておかないといけません。

ここまでの話にあるように、コンテストで一位とかでなくていいんです。ストーリーを作るための材料を持っているかどうか、ストーリーを作ってストックしておけるかという勝負なのです。

さすがに捏造はバレますが、英語力といってもTOEIC満点でなくても、平均より上で英語のハウツー本くらいは読めるレベルで海外旅行するとか、海外の人が集まる日本のイベントとかに行けばだいたいクリアできますよね。オンライン英会話にバイト代を費やしてちょっと鍛えておけば可能だと思います。無理に知らない人に話しかけて事件に巻き込まれると大変なので、会場案内のボランティアをするとかどうでしょう?

これで大問1クリアです。もちろん百パーセント出題されるとは限りませんよ。でも出題確率は高いです。しかもこのストーリーならグローカルの前座(グローバルに関するストーリー)にも流用できるし、コミュニケーション力の問いにそのまま使える。

どんなストーリーにも答えられるようにしたいから、頭の回転を上げようという勝負ではないのです。
どれだけのストーリーのストックがあるかという勝負です。あとは出題テーマがストックしたストーリーと合うかどうかの確率の問題になります。学校のテストと同じですね。
だから運の要素もあるので一点集中で「この企業だけしか無理」とやると当たるまで就職留年し続けてガチャを引き続けることになります。だから第二、第三希望なども持って妥協も必要かも、という話です。

もちろん営業に配属されたいなら「喋り」「頭の回転」が重視されたりもするでしょう。でも多くの面接ではそうではない。それを面接の最重要項目にするとほとんどの人は不合格でしょうから。ほとんど一握りの才能ですし。

勝敗を分けるのはストーリーのストックの多さ

話を戻すといかに問題を早めに調査してストーリーのストックをたくさん持てるか、が勝敗を決めます。
多くのストーリーは大学4年間くらいの間に地道に自分で色々勉強して、体験することで作成できます。

バイトやサークルや部活を大学でやる人が多いのは、勉強だけ頑張りました、では作れるストーリーの幅が減るからです。
本当に勉強だけでいい企業に入りたいとなると、学部生レベルで博士後期課程で行う学会への投稿論文を書いて学会誌に載るくらいは最低でも必要だと思います。
それをやるくらいならバイトとサークルをやりつつ、ストーリーを補完できるような資格を3個か4個くらい取得する、何らかの楽しそうな趣味を一つ二つもつくらいのほうが現実的だと思います。

先ほども言いましたが、ストーリーを脚色できるレベルでいいのです。お小遣い稼ぎで始めたバイトを特に考えないで続けているだけでも面接で「地元企業でアルバイトをして日本社会の問題を考えさせられました。私はこういう大人になって社会のこういう問題を変えたいです」と言えますよね。

たぶんたいていの場合通用すると思う

まさしくグローカルの「ローカル」のストーリーですよ。たぶんこのレベルでいいんじゃないかと思うんです。もちろん日本の社会問題を日ごろから新聞やビジネス書でウォッチしておくことは必要ですよ。
これでも大学ランキングで「中の上」「中の中」くらいの学生なら何とかなると思うんです。超大手は無理かもしれませんが、大学と懇意にしている地元の優良企業か超大手の下、そこそこの大手くらいならいけると思います。

だって難解な大学の勉強もそれなりにして、バイトもサークルもして、資格も持っていて、趣味も楽しんでいるなんて学生、ほとんどいませんよ?現実的にそんな時間無いですもん。就職活動が始まる大学2年生から3年生くらいの期間でそこまで到達できる学生は本当に一握りです。
だからこそ、企業も振るい落としの手段として面接で出題するわけです。しかも一つのテーマじゃなくて複数。一つだと山が当たっただけの人も採用してしまうから。
もちろん狙いを定めたらインターンとかには行きましょう。

でもここまで読んできてお分かりだと思いますが、早めに準備して対策しておけばかなり有利になると思いませんか?やるべきこと、大枠のシステムはわかりましたよね。

ストーリー作成にはレポート作成が生きる

そんなオリンピックのチャンピオンを決める儀式じゃないんですよ。
そして私のnoteを見てくれている人ならわかると思うんですけど、ストーリーの作り方って「レポート作成」なんですよ。

日本社会、世界規模での課題を見つけて、それに対してこういうことが必要だと言って、それに対して自分はこんなアクションをしてきた、これからはあなたの会社でそれを解決していきたい、みたいなことを言えばいいんです。そういう大問ももちろん出題されますから。

難しいのは課題発見と自分がしてきたアクションにかける時間がひと月とかのスパンではなく、半年とか数年とかのスパンということです。しかもこのストーリーを色々なテーマで複数作成しておかないといけない。

勉強が大変でも諦めないで

ただしこの辺までわかったうえで、勉強大変だから勉強だけがんばろー、と諦めないで、無理のない範囲でもうちょっと色々やってみる。
こうすれば道はもう少し開けるんじゃないかなー、と思います。

むしろストーリーを集めているうちに「これらの自分用のストーリーが一番生かせるのはこの企業だな」ってわかってくるような気もします。もちろん企業情報を集める必要はありますけど。

歩みながら決めてもいいんです。最初から「この企業に入るべき」なんてわかりませんよね。
目標を無理に最初に立てる必要はありません。

これを早めに分かったうえで大学生活を過ごせば、どこまでの時間を就活に使ってどこまでの時間を好きなことに投資できるかの境界が引きやすくなります。
ここまではズレてもいい、これ以上はズレちゃいけない。
これがわかれば大学生活での将来に対する漠然とした不安って結構減ると思うんですけど、どうでしょう?

いいなと思ったら応援しよう!